ありがとう、熊切小学校!

2015年3月23日
    平成27年3月22日、閉校式。


    まだまだ先のことと思っていましたが、とうとうその日がやって来ました。


    141年もの歴史をもつ本校。


    その幕を下ろす場面に、
    一人でも多くの方に立ち会っていただきたいと思ってきました。


    お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。


    卒業生や地域のみなさん。


    旧教職員のみなさん。


    ・・・400名を超える人たちが、足を運んでくれました。


    市外、県外からも駆けつけてくれた卒業生が、たくさんいたようです。


    地域の学校、そして、母校への、
    みなさんの熱い思いを感じないではいられませんでした。


    それだけで、もう胸がいっぱいになりました。


    校長先生のあいさつ。


    ・・・・・昨年度来、この日が来るのは分かっておりましたが、
    いざ閉校の日を迎えますと、惜別の情を一段と感じます。

    ・・・いつも温かい眼差しを送ってくださる地域の皆様、
    実行力のある保護者の皆様に支えられ、本校は小規模校でありながら、
    素晴らしい教育実践を積み上げてきた伝統ある学校です。
    そして、そこに学ぶ子どもたちは、どの子も明るく元気にあいさつができ、
    誠実でそれぞれ個性をもった素晴らしい子どもたちです。

    ・・・こうした素晴らしい子どもたちや、
    陰になり支えてくださった保護者や
    地域の皆様とかかわらせていただいた私たち教職員は、本当に幸せ者でした。
    子どもたちには、母校であるこの熊切小学校で学んだことを誇りとして、
    大きな夢と希望を抱きながら、
    未来へ向かって羽ばたいてほしいと願っています。・・・・・



    岩本PTA会長さんのあいさつ。


    ・・・・・私は最後のPTA会長として、
    子どもたちに、そして、母校である熊切小学校に、
    「何ができるだろう」「みんなの心に残る1年にしたい」、
    そんな思いを抱きながらPTA活動を進めてきました。

    ・・・私は、こうした閉校に向けた動きの中でも、
    不思議と寂しさや切なさは湧いてきませんでした。
    それよりも、子どもたちと一緒になって楽しんでいる自分がいました。
    また、他の保護者や先生方と「子どもたちのために」を合言葉に、
    夜遅くまで相談することもありました。
    このように私たち保護者は先生方と手を携え、
    さらに地域を巻き込んだ活動を通して、
    「チーム熊切」という絆が生まれたように思います。

    ・・・熊切小学校の思い出は、校舎の姿や校歌と共に、
    いつまでも色あせることなく、私たちの心の中に生き続けるでしょう。
    最後に、熊切小学校に感謝の気持ちを込めて、
    「141年間、お疲れ様でした。そして、ありがとう。」


    児童の言葉。


    がんばり坂の木々が一斉に芽吹き、高塚山も緑を取り戻した春。
    新しい門出に心をはずませる春。
    しかし、この熊切に寂しく、そして、悲しいときがやって来ました。

    明治6年石打松下学校して開校して以来、141年間。
    数え切れないほどの子どもたちが、
    共に学び、共に助け合って卒業していったこの熊切小学校が、
    平成27年3月、閉校のときを迎えました。

    141年間、数多くの思い出をつくってくれた熊切小学校。
    私のおじいちゃんは、
    3年生から始まった野球の練習が、一番心に残っているそうです。
    ぼくのお父さんは、
    熊切小学校と花島小学校、田河内小学校が統合したことを覚えているそうです。
    ぼくのお母さんたちのときには、ミニバスケットボールの大会があり、
    まだ体育館がなかったから、外ですり傷をつくりながら練習したそうです。
    私のお姉ちゃんが6年生のときからいかだ体験が始まって、
    みんなで熊切川で楽しんだそうです。
    私のお兄ちゃんの一番の思い出は、
    みんなでカブトムシやクワガタを育てたことだそうです。

    そして、ぼくたち。
    この熊切小学校を卒業していった先輩たちに負けないくらい、
    たくさんの思い出をつくりました。

    春は、みんなで大切に育てたしいたけを採ったことやお茶摘みをしたこと。
    夏は、いかだ体験。PTAの宿泊体験。
    今年度、お父さんたちが暑い中、私たちのためにつくってくれた、
    40m以上ある「流しそうめん」は、絶対に忘れません。

    秋は、つり体験や林業体験など、
    地域のみなさんにもいろいろとお世話になりました。
    卒業生や地域のみなさんがたくさん来て、盛り上げてくださった大運動会。
    みんなで走り、大きな声で応援したあのとき、本当に楽しかったです。

    そして、冬。
    今年度1年間、私たちを取材し、
    テレビ放映してくださった静岡朝日テレビへの閉校遠足。
    静岡朝日テレビのスタッフのみなさんは、とても温かく迎えてくれました。
    スタジオ見学させていただき、番組にも生出演させていただきました。

    このような数多くの思い出を残すことができたのも、
    私たちにかかわってくださった多くの方々のおかげだと思います。
    本当にありがとうございました。

    さあ、いよいよ熊切小学校とのお別れが近付いてきました。
    熊切小学校とお別れすることは、つらく悲しいです。
    でも、私たちには、誰も消せない心のアルバムがあります。
    だから、私たちは前を向き、明るく元気な熊切っ子として、
    胸を張って歩み出します。

    熊切小学校、ありがとう。
    そして、「さようなら」の代わりに、
    今日この場にいるみなさんも校歌を一緒に歌いましょう。


    そして、みんなで校歌を歌いました。






    第2部。
    まずは、懐かしいビデオ映像。


    放送室の棚にあったVHSのビデオテープを編集して・・・。


    続いて、
    子どもたちが劇と歌を発表しました。


    タイトルは、「あの時代にタイムスリップ 熊切小141年間の思い出」。


    学習発表会で披露したものをアレンジして・・・。


    第2部が終わろうとしたとき、
    「ちょっと待ってください!
    最後に、ここにいる全員で校歌を歌いたいんだけど、どうですか?」
    と、卒業生の声。
    そして、肩を組んで校歌の大合唱。


    「♪清い流れの熊切川は 世界の海へ続いている・・・」


    3番は、一際大きな歌声が会場に響き渡りました。


    閉校式の後、会場のあちこちで、久しぶりの再会を喜んだり、


    記念写真を撮ったりする姿が見られました。


    また、昔の写真を見たり、懐かしい教室に入ったりして、


    思い出話に花を咲かせている方がたくさんいました。


    山あいの小さな小さな小学校、熊切小学校。
    長い間、本当に本当にありがとう。