会礼での校長の話

2016年11月17日
     11/14(月)、会礼が行われました。校長の話を以下に紹介します。


     この写真を見てください。何か気がつくことはありませんか。そうです。人によって肌の色が違いますね。少し前までは、とても悲しいことですが、肌の色が違うだけで人種差別がありました。肌の色が白い人の方が、そうでない人よりも優れている、美しいという差別です。


     私は、人類の進化に興味があって、人類学の本をたくさん読んできました。人類学の本を読んでいると、少し前までは、ヨーロッパ人の祖先はネアンデルタール人、アジア人の祖先は北京原人、オーストラリア先住民の祖先はジャワ原人だと考えられていました。


     ところが、最近の研究で、人類(ホモサピエンス)の祖先は全部同じ祖先であるというアフリカ単一起源説が、科学的に証明されました。




     ヨーロッパ人・中国人・日本人・オーストラリア先住民の祖先は、昔からいたネアンデルタール人や北京原人、ジャワ原人ではなく、ずっと後にアフリカからやって来た人たちだったのです。昔からいたネアンデルタール人や北京原人、ジャワ原人は、途中で滅びてしまったのです。
     だから、人種の違いは意味がないのです。みんな昔は「アフリカ人」だったのです。全ての人間の御先祖様は、「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれています。


     ところで動物は、弱い者を差別したりいじめたりします。強い遺伝子を残すために備わっている動物の本能(生まれつきの性質)です。


     人間も動物ですが、そうした本能が人間の脳にも組み込まれているのでしょうか。でも、人間なら、人間だけは大丈夫だと思うのです。人間には、「本能」を乗り越える「心」が備わっているからです。
     肌の色が違っても、身長が違っても、得意なことが違っても、違いを認め尊敬し合って人と関わることが大切なのです。それが、城西小の合い言葉「にじ色に輝け」なのです。


     <11/12からフルーツパークに展示されいる本校のイルミネーション(イラストは除く)>