春休み期間中は、先生方から生徒の皆さんへ
転退職される先生方から
お別れの挨拶として、
メッセージをお届けします
今回は、山田先生です
春は「別れ」と「出逢い」の季節です。
別れと出逢いと言えば、ギリシャ神話のオルフェウスの物語が思い浮かびます。
オペラにも脚色されており、ご存じの方も多いと思われますが、ちょっと紹介します。
ギリシャ神話に登場する吟遊詩人オルフェウスには、エウリュディケという美しい妻がいました。
ある日、エウリュディケは毒蛇に噛まれてしまいこの世を去りますが、オルフェウスは亡き妻を救い出すため、冥界へと向かいます。冥府の国へと続く入り口には真っ黒な川が流れ、カロンという渡し守が亡者を渡していました。そして、まだ死んではいないオルフェウスを見るとこの川を渡すことを拒みましたが、彼の妻を慕う曲を聞くと、黙って船へと招き入れました。また、冥府の城門を守る猛犬ケルベロスも、その琴の音を聞くと吠えるのをやめ、おとなしく尾をたれて通してくれました。やがて、オルフェウスは、冥界の王ハーディスの前に立ち、心を込めて琴を奏で、妻の帰還を願いました。ハーデスは妻を生き返らせることを許可しますが、地上に戻るまで決して後ろを振り向いてはならないという条件を与えました。オルフェウスは天にも昇る喜びで、妻を後ろに、再び暗く険しい道のりを戻って行きました。オルフェウスを勇気づけたのは後ろから聞こえる妻の足音でした。地上に近づくにつれ、妻の足音が小さくなり不安になりながらも、歩き続けました。やがて、この世の光がほのかに差込み、地中海の潮風が心地よく額に触れるところまで来たところで、足音は全く聞こえなくなりました。オルフェウスは不安のあまり、思わず妻の方を振り向いてしまいました。すると、その瞬間、エウリュディケは吸いこまれるように後戻りをして、やがて煙のようにかき消えてしまいました。
オルフェウスはギリシャ神話の神でありながら、人間のような「弱さ」を持ち合わせていたようです。
私たちも然り。「弱さ」を自覚し、共生することが必要なのかもしれません。
3月、別れの涙に濡れても、
4月、見上げる満開の桜に、涙 拭われます。
今年の桜は「涙忘れ」と言われるようです。
新しい出逢いと満開の桜に、涙は笑顔に変わります。
桜の開花はもうすぐ。
2023スプリングレター~お別れの挨拶:山田先生~
2024年3月29日