第44回卒業証書授与式「校長式辞」

2025年3月17日
    <令和6年度 卒業証書授与式 校長式辞>
     登校坂の桜の蕾が膨らみ始め、春の訪れを感じる季節となりました。
     第44回卒業生として、西都台小学校を巣立つ57名の皆さん、御卒業おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
     今、一人一人に卒業証書を手渡しました。卒業証書は、小学校6年間の教育課程を立派にやり遂げることができた証です。皆さん、本当によく頑張りました。
     そして、卒業証書を受け取る皆さんの純粋で、真っ直ぐな眼差しは、キラキラと輝き、希望に満ち溢れ、とても素敵でした。そんな皆さんに卒業証書を手渡すことができた私は、浜松一、いや、日本一幸せな校長であると心の底から感じています。卒業生の皆さんは、私の自慢の子供たちです。
     今、皆さんは小学校を卒業するという「人生の節目」を迎えています。実は、ある植物にも「節目」と呼ばれる部分があります。そうです、皆さんがこの西都台小学校で慣れ親しんできた「竹」です。竹は細くて長いので、一見弱そうに見えますが、実はとても強いのです。どんなに強い風が吹き、弓のように曲がったとしても、また元に戻り、空に向かって真っ直ぐに伸びていきます。それは何故かというと、節があるからです。竹はしっかりとした節のおかげで、しなやかに折れない強さがあるのです。
     人が成長していく上でも、この節は大切です。そして、人にとっての節は、「一度立ち止まり、今までの自分を振り返り、この先の人生をどのように生きていきたいかを考える」ことで作られます。今日の卒業式が、皆さんの人生にとって大切な節目となることを願います。
     さて、時代は今、急速に変化し続けています。予測困難な時代の中、皆さんは生きていかなくてはなりません。そんな皆さんには、社会の変化に受け身で対応するのではなく、何事にも主体的に向き合い、協働的に関わり合いながら、たくましく、しなやかに人生を歩んでいってほしいと願います。そのためには、今年度この西都台小学校のみんなが目指してきた、なりたい自分を目指し、やりたいことを見つけ、ともに挑戦し続けながら生きていくことがとても大切であると思います。
    『なりたい自分を目指し』とは、「どんな自分になりたいかといった目標や夢を持ち続けようとすること」、「自分の良さを発揮しながら、自分らしく生きていこうとすること」。
    『やりたいこと見つけ』とは、「なりたい自分に近づくために必要な力や自分の良さ・可能性を踏まえながら、自分がやりたいことを見つけること」。
    『ともに』とは、「この先出会うあらゆる「ひと」「もの」「こと」に自ら進んで関わりながら、自分に必要な力を身に付けようとすること」。
     そして、『挑戦し続ける』とは、「多少の困難が生じても諦めることなく、解決する方法を考えたり工夫したりしながら、なりたい自分の姿を実現するために、粘り強く最後までやり遂げようとすること」。
     この西都台小学校で培った「たくましい心」と「しなやかな心」を土台とし、いつまでも、そして、どんなときも『なりたい自分を目指し、やりたいことを見つけ、ともに挑戦し続ける』ことを大切に、自分らしさをより一層輝かせながら、幸せな人生を歩んでください。
     最後に、人生の節目を迎え、この西都台小学校を旅立ち、新たな人生を歩んでいく皆さんに、私の大好きな、そして生きていく上で大切にしている詩を贈ります。
    <四季の心>
     人と接するときは、春のような温かい心
     仕事をするときは、夏のような熱い心
     物事を考えるときは、秋のような澄み切った心
     己を振り返るときは、冬のような厳しい心
     卒業生の皆さん、今まで本当にありがとう!そして、いつまでも自分らしさを大切に、輝かしい未来を、たくましく、しなやかに切り拓いてください。

     保護者の皆様、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。お子様の手を引いて登校した入学式から6年間の教育課程を終え、立派に成長したお子様の姿に感無量のことと思います。また、この6年間、本校の教育活動に温かな御支援と御協力をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。お子様もいよいよ中学校に羽ばたきます。引き続き、自分らしさを追い求め、挑戦し続けるお子様を温かく見守り、支えていただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

     卒業生の皆さん、いよいよ別れの時が近づいてきました。本音を言いうと、皆さんとの別れは、とても寂しく、もっともっと皆さんと一緒にこの西都台小学校で過ごしたい、そんな気持ちでいっぱいです。しかし、その思いは叶いません。ですから、皆さんが、この西都台小学校で、ここにいる素晴らしい仲間たちとともに行う最後の「別れの言葉」を、しっかりと心に焼き付けたいと思います。
     職員一同、いつまでも皆さんを応援することを約束し、校長の式辞とします。

     令和7年3月17日 浜松市立西都台小学校長 井口幸英