11月13日(月)の昼休みのことです。
村櫛小の体育館にて、とても素敵なイベントがありました。
それは・・・
読み語りボランティアのみなさまによる毎年恒例の”図書イベント”です。
今年は、”堀江村の亀塚”という昔の庄内半島のお話でした。
今の舘山寺町あたりが”堀江村”と呼ばれていたころのお話だそうです。
昔、浜名湖に面したのどかな村に、突然、地震が起きました。
そして、沖の方で波が荒れ狂い、水面が持ち上がり、津波が襲い掛かってくるのが分かりました。
どこに逃げればよいのか困り果てていた村人たちは、慌てふためきます。
そのとき、村人たちの前に、村の方をじいっと見つめている大きな亀が現れます。
村人たちは、その亀が
「手招きをしているのではないか」
「陸を離れて、湖に入れと言っているのではないか?」
「大津波が来る前に船を沖に出すと助かると聞いたことがある」
と、まるで自分たちを導いているように感じます。
村人たちは、みな「亀を目指して泳げ」と、亀のいる方へと懸命に泳ぎました。
子供たちは、「どうなってしまうのだろう」とハラハラしながら聞いています。
しばらくして・・・村は、津波に飲み込まれてしまいました。
でも、村人たちは逃れることができ、すんでのところで命拾いをすることができました。
数年後、湖岸に病気にかかった大きな亀が見つかりました。
「この大亀は、わしらを助けてくれた亀じゃないか」
「今度は、わしらが助けて恩返しを・・」
と村人たちは、懸命に看病をします。
でも、看病のかいなく、亀は死んでしまいました。
亀の死を悲しんだ村人たちは、塚を作って大亀をそこにまつりました。
いつしかその場所を”亀塚”と呼ぶようになりました。
今回のこのお話は、「浜松の伝説(おじいさんが語る昔話)」という本にも掲載されていました。
この本には、村櫛町は、なぜ”村櫛”と言われるようになったのかについてが書かれている”村櫛町のいわれ”というお話も載っていました。
読み語りボランティアのみなさまは、このイベントに向けて、1学期からお仕事の合間を縫って準備をしてくださっていました。企画、小道具の作成、練習・・・できるときに、できる人が集まって・・・図書室にて話し合いを重ねている姿を何度もお見掛けしました。
地震や津波の臨場感が出るようにと工夫された演出、そして大亀や村人たちを際立たせるためにとみなさん黒い服装をしてみえました。子供たちは、お話に引き込まれていました。
イベントの後半には、今回のお話にまつわるクイズや図書の紹介もしてくださいました。
きっと、小道具や大亀(なんと手作りだそうです!)の準備はきっと大変だったことと思います。
でも、イベントの後に、お話を伺うと、
「とっても楽しかったですよ。」
と、どの方も素敵な笑顔を見せてくださいました。
「村櫛の子供たちに少しでもよりよいものを見せてあげたい」
「地域のことを知ってもらえたらうれしい」
という思いにあふれていらっしゃるのだと思います。
こんなふうに思ってもらえる村櫛の子供たちは、幸せです。
読み語りボランティアのみなさま、本当に、本当に、ありがとうございました。
子供たちも職員も感謝の気持ちでいっぱいです。
子供たちがイベントの感想のお手紙を書きましたので、ぜひ読んでください!