6月8日(水)の5、6時間目。
入野小学校の体育館には、素敵な素敵な時間が流れました。
なぜかというと、玉城ちはるさんというそれはそれは素敵な方をお迎えして
はごろも「夢」講演会
”命の参観日~共に生きる~”
という特別な授業が4~6年生の子どもたちを対象に開催されたからです。
玉城ちはるさん、もう最高でした!!
明るく、快活で、エネルギッシュ。
飾らない感じが魅力的で、親しみやすく、子どもたちに気さくに語りかけてくださいました。
子どもたちを大きな愛で包み込み、まるで太陽のような素敵な方でした。
彼女のメッセージは、子供たちの心にまっすぐ届きました。
透き通る伸びやかな声、身体全体を使って、手話を交えながらの表現力豊かな熱唱。
入っ子たちも職員も、会場にいたみんなが一瞬で彼女の魅力に引き込まれました。
(私は、もう大ファンになりました)
冒頭に、いきなり
「私には、6人の孫がいるんです。」
子どもたちからは、
「え~っ!!!」
と驚きの声が・・・。
それも、そのはず、だって、ちはるさんは、まだまだとってもお若い。
とてもお孫さんがいるようには、見えません。
でも、お話を聞いて、会場内みんな納得!!
ちはるさんは、24歳のとき、偶然の出会いから中国人留学生のホストマザーとなり、
1つ屋根の下で、多くの留学生たちの”ママ”となって共に暮らしたんだそうです。
そこから巣立っていった留学生たちに子供ができ、”おばあちゃん”になったんです。
納得、納得。
そんなちはるさんが、ホストマザーとなって感じたこと、それは・・・
自分とは、ちがう人を排除しない。どう共に生きるかを考えることが大切。
ということ。
「異文化と聞いて、思い浮かべることは?」
「給食を残さず食べる?それは、どうして?」
などと問いかけ、子どもたちを巻き込みながら講演が進みました。
たくさんの子が挙手。どんな答えを発表しても、温かく認めてくださるので、安心して話せると思ったのだと思います。
中国人留学生のために一生懸命に作った中華料理。どんなにがんばってもいつも残されてしまう。
だから、あるとき、聞いたのだそうです。
「なんで、こんなに頑張ってるのに、残すの!!失礼でしょ!!」
彼からかえってきた返事は、
「ぼくの育ったところでは残さず食べることが失礼なことなんだ。」
自分が受けた教育が、自分の持っている価値観が絶対正しいと思って、
人を責めてしまった自分だった!!足りなかったのは、対話だった!!
そんな彼女が子供たちに伝えてくださったメッセージは・・・
「あなたの気持ちを伝えてください。大切なのは、対話です。」
あなたのことは、あなたにしかわからない。
なんとなく分かってくれるだろうでは、だめ。言葉にしなくては、いけない。
あなたの気持ちを言葉にして伝えてほしい。
そして、あなたの気持ちを教えて、わたしは、あなたじゃないから。
休憩の時間になると、自然とちはるさんの周りに子どもたちが近づいてきて・・・
あっという間に大きな輪ができました。幸せそうな笑顔の輪ができました。
休憩の後には、”やさしさ貯金ゲーム”を教えてもらいました。
けんかをしても、仲直りができるゲームです。
直してほしいところと、いいところをセットにして伝えて、
「ありがとう(感謝)、ごめんね(反省)。大好きだよ(愛情)。」
と伝えるゲームです。
まずは、先生たちでお手本を・・・子供たちに選ばれてしまった(?)若い2人がやりました。
さぁ、子供たちも・・・と思ったら、子どもたちから、さらにリクエスト!
なんと、校長先生となかよし2組担任O先生とで、もう一回!!
「校長先生は、おだやかで、いつも落ち着いていらっしゃいます。」
「先生は、いつも熱心に子供たちを指導してくださり、感謝しています。
でも、もっとわたしとお話してください!」
ものすごい盛り上がりました。
(玉城さん曰く・・・お手本のおかわりは、入野小が初だそうです
)
そして、会場内の子供たちも近くの友達と”優しさ貯金ゲーム”をちょっぴりやってみました。
幸せな笑顔があふれました。
けんかをしたとき、相手の直してほしいところだけを言うと、いやになっちゃう。
だから、いいところとセットにして伝えて、改善点を提案する。
そうすれば、きっときっと仲直りができる!!
「教えてくれてありがとう。分かってあげられなくてごめんね。
あなたのことが好きなんよ。」
近い関係だからこそ、泣いて喜ぶ人がいるんです。
(どうやらこの日、家に帰ってすぐに家族とこの優しさ貯金ゲームをした子がいるみたいです。)
ところどころに、歌を交えながら進む、楽しく、分かりやすく、真剣に
人と共に生きるということは、どんなことなのかを考える素敵な講演。
玉城さんが伝えてくださったメッセージは、もう一つあります。
自ら動き出せる人になってください。
父を自殺で亡くしたとき、なんで、だれも助けてくれないんだって思った。
でも、自分がだれかのために動く。すると、自分を信じられるようになった。
すると・・・人を信じることができた。人から信じられるようになった。
どうか、困っている人に手を差し伸べられる人になってほしい。
じんとしました。とっても、とっても説得力がありました。
質問タイムになると、子どもたちからこんな質問が出てきました。
「お父さんとお母さんがけんかしてしまったとき、口出ししない方がいいですか。」
優しさ貯金ゲームをぜひ、やってみて・・・
「お兄ちゃんやお姉ちゃんが構ってくれません。どうしたら・・・」
あなたの気持ちを言葉にして伝えてみて・・・
「お母さんが、一言多いので、何とかしたいのですが・・・」
あなたのお母さんは、頭の回転が速くて賢い人なのですよ~。
「ぼくは、チャレンジしてうまくいかないとき、自分を責めてしまうのだけど・・」
自ら動いてチャレンジしたからこそ、失敗という経験をした。
失敗したからこその成長もあるから、大丈夫!
・・・すっかり、お悩み相談タイムでした。
(ちなみに、教員からのお悩み相談もありました・・・。)
講演の最後には、”笑い泣き”という曲を熱く熱く歌ってくださいました。
伸びやかな声に聞き惚れる子供たち。
今日のすてきな講演への感謝の気持ちを伝えるために6年生の代表児童より、お礼の言葉と花束の贈呈をしました。
「玉城ちはるさん、ありがとうございます。大好きです。
今、入野小の体育館の中は、温かい空気でいっぱいです。
今日のお話で心に残ったのは、相手のことを知ろうとすること、対話することが大切ということです。
私は6年生として、友達のことも、下級生のことも、これから出会う人のことも知ろうと、
そういう努力をしていきたいと思いました。
楽しかったです。ありがとうございました。」
わたしたち教員も、自分の価値観を、押し付けず、自分の考え方を当たり前と思わずに、
周りの人との対話を大切にしながら、子どもたちのため、自分の周りの全ての人のために、
自ら動き出せる人でありたいと思いました。
遠方より入野小においでいただき、素敵な”命の参観日”をありがとうございました。
周りの人を大切にしていこうという気持ち、命を大切にしていこうという気持ち
そして、前向きに生きていこうというエネルギーをたくさんチャージしていただきました。
いつかまた、お会いできる日を楽しみにしています。
玉城ちはるさ~ん!!
入野小学校より、愛を込めて、伝えます!!
ありがとう!だいすきだよ~!
なお、この講演は、●公益財団法人●はごろも教育研究奨励会の助成により実施しました。