あっという間に1月が終わりもう2月です。
今日は節分ですね。
スライドは節分についてですが、その話は省略しますから、また職員室前に貼られたら見てください。
話の途中で体育座りがきつくなったら目と耳はこちらに向けていてくれれば、楽な姿勢になっていいですからね。
卒業、進級が近づいています。
今年度やるべきことは確実にできていますか?
自分を輝かせるための今年の目標を達成するために、自分との対話はできていますか?
3年生は、今週多くの人が中学校卒業後の進路決定に向けて私立高校の入学試験を受けましたね。
もうすぐ未来への第一歩を踏み出す全員の合格を祈っています。
今日は「天竜中キャリア教育」の4つの力を、少し大きな視点でとらえる「想像力」の話をします。
「想像力」とは「自分が経験したことがないことや未来のこと、現実には存在しないことを、頭の中で思い描く力」です。
「ヒトはチンパンジーなどの類人猿(るいじんえん)と共通の祖先から進化した」そうですね。
そして、700万〜600万年前にチンパンジーと枝分かれして進化を始めたのがヒト。
もともとは、ヒトとチンパンジーは同じ仲間。ゲノムという全遺伝子情報の違いはわずか1.2%だそうです。
では、ヒトとチンパンジーの最も大きな違いは何かというと「脳」だそうです。
「脳」のおかげで、想像力をもち言葉を操ることができるのがヒト、人間なのだそうです。
ある研究結果によると、チンパンジーは顔の一部を消した似顔絵を渡すと、顔の輪郭をなぞるそうです。
人間の子供はというと、目や鼻など消してある部分を自分で書き入れるということです。
これは「チンパンジーは目の前にある『そのもの』を見る能力がある。人間は、じっとそれを見て、そこにないものを想像したり、言葉で表現したり能力がある。」ということだそうです。
また、病気で寝たきりになっても、全くめげる様子を見せなかったチンパンジーを見て、ある研究者は「チンパンジーは、今ここという世界に生きている。だから絶望するということがない。人間は想像する力があるから、遠く離れた過去や未来、地球の裏側にも思いをはせ、絶望もするが、希望を持つこともできる。」と言っています。
チンパンジーは、今この瞬間を生きているだけだから、たとえば病気になっても食べ物がなくても、これからどうやって生きていこうかと心配したり、絶望したりすることがないということ。
それに対して、ヒトは、食べるものがなければ心配になるし、重い病気にかかれば絶望もする。
でも、逆に、未来を想像する力があるということは、未来のことを考えてよりよく生きようと希望を持つ力があるということなのです。
こんなものがあったらいいなと考え、次々と技術を進化させ、便利なものを作り出してきたのも、人間に想像力があるからこそできたことなのです。
また、これをしたら相手はどう思うかを考えたり、困っている人を助けたりする思いやりも、人間に想像力があるからこその心の動きなのだと思います。
しかし、この「想像力」は使い方次第で、モノや人を壊す凶器にもなります。
自分たちだけが豊かに便利に生きていくためにはどうしたらよいかという「想像力」を働かせた結果、世界では戦争がおきたり、環境が破壊され人間以外の生き物の生態系が壊されたりしています。
いつでもどこにいても人と繋がったり、情報を手に入れたりできるようにするにはどうしたらよいかを想像した結果、個人が持ち歩くスマホが発明されました。
しかし、それを使うことで何が起きるかを正しく想像できない人が使うと、SNSのトラブルや依存症などの問題が起きてしまいます。
集団生活の中で起きるいじめの多くは、いじめを行う人に、相手の立場になって考える「想像力」がないことにより起きるのです。
「想像力」は、豊かな方がいい。
そして、大切なのはどんな「想像力」を持つか。
自分が楽しい、自分が嬉しい、自分が幸せ、だけでなく、周りの人も楽しくなって、嬉しくなって、幸せになるにはどうしたらよいかを想像する「想像力」を豊かにしてほしいと思います。
そのために、自分とは違う考え方を持つ多様な人の考えに触れてください。
普段あまり話したことのない人と話してみたり、本を読んだりすることで、自分とは異なる価値観を持った人の考えに出会うことができます。
自分だけの固まった考え方から抜け出し、多様な価値観があることを知ることが、周りの人も幸せになる「想像力」を豊かにする第一歩です。
「天竜中キャリア教育」の4つの力の根本を支えるのは、この「想像力」なのだと思います。
・人の気持ちを想像することで身に付く「関わる力」
・どうすれば自分のよさを生かせるか想像することで身に付く「見つめる力」
・困難を乗り越える方法を想像することで身に付く「追究する力」
・どうすれば社会に貢献できる大人になれるのかを想像することで身に付く「見通す力」
4つの力のどれも、目に見えないものを想像する力があってこそ身に付くものだと思います。
中学校卒業が間近に迫っている3年生も、これから自分の進路を考えていく1・2年生も、
今ここにあるものしか見えないチンパンジーではない、
目に見えない未来を想像して今できることに精一杯取り組み、
人のため社会のためになる「15歳の志」を見つけてください。
3年生は公立高校の入試が待っている人がたくさんいます。
希望溢れる未来を想像して、全力を尽くしましょう。応援しています。