本校ではここ数年の中で、学校生活にかかわる様々なきまりの見直しや改革を行っています。学校主導で行うものもありますが、本校の場合は生徒会から見直しの要求の声が上がることが多く、その都度、生徒や教員が協議を繰り返しています。
こうした流れの中で、いくつかの約束事(決まり)は生徒の判断にゆだねる形で示しています。例えば、登下校に使用している靴の色。明示された決まりはなし。では、生徒は何をよりどころにして自分が履く靴(色)を選ぶのでしょうか。
「中学生らしさ」は、つい最近までよく耳にしましたが、基準は不透明で、今の時代にはこの言葉をよりどころとするのは難しいですね。「人に迷惑をかけないならなんでもよい」も、あまりに自己中心的な判断と感じますが、どうでしょうか。「決まりに締め付けられるのは嫌だ」という人がいれば、「決まりがあったほうが楽だ」 という人もいます。「決まりがないと学校生活が乱れてしまう」という人もいれば、「決まりに縛られると、適切な判断ができない大人になってしまう」と心配する人もいます。考え方は人それぞれで、正解・不正解はありません。
現生徒会長や生活委員長から、「学校の決まり事」の見直しをしたいという声が上がりました。学校側も良きアドバイザーでいたいと考えています。そのためには、教員はどんなアドバイスをしたらよいのか。価値観が多様化し、生活様式も人それぞれの時代。お互いに認め合い、尊重し合うことが求められる今、教員も時代に合わせた行動や言動を身に付ける必要があります。教員だって、人それぞれの価値観を持っています。かつての「十把一絡げ」の校則は通用しない時代ですから、常にキャリアアップを図らないと、時代に取り残されることでしょう。予想困難な未来を生きる中学生には、適切に判断し選択できる力を身に付けさせたいものです。アドバイスを求める彼らに、私たち大人がかける最良のことばとは、何でしょうか。