令和5年度 修了式 ~校長先生のお話~

2024年3月21日
    今日は、3月18日(月)に行われた 修了式での校長先生のお話を紹介します。

    令和5年度 3学期修了式

    さまざまなことに挑戦してきた1年の締めくくりの日です。
    この1年のがんばりを発表してくれたみなさん、ありがとう。3人ともそれぞれに努力をし、1年前の自分より、成長したことを実感しています。とてもうれしいことです。今日はまず3学期を振り返ってみます。

    まずは、8・9組の皆さん、2月の激励会、よく頑張りました。大勢の観客の前で堂々としたパフォーマンスを見せてくれましたね。かっこよかったですよ。
    先日の天中ショップも大盛況でした。あれだけの商品を作るのは本当に大変だったことと思います。たくさんの方に喜んでもらえましたね。ありがとう。

    次に、生徒会が中心になって行った校則についての話合い。真剣な話合いの様子を見て、とてもうれしく思うと同時に頼もしく感じました。
    これは「自治」の第一歩です。「自治」とは、自分たちの生活がよりよくなるように、自分たちで物事を判断し実行していくこと。自分たちで決めて守っていこうとするキーホルダーのルールは、新生天竜中のスタートを意味しています。「自治」は、ただの自由とは違います。全員が気持ちよく生活するために、一人一人に「責任」が伴います。守れない人がいたら、ルールを変えなければいけない。それは、「自治」とは正反対、「管理」の方向に進むということです。先生たちが細かいルールを決め管理する方向です。そんなのは嫌ですよね。私は、今の皆さんなら自分たちで決めたルールをしっかり守れるに違いないと信じています。
     
     もう一つ、この話合いを通して、実は皆さんは多くのことを学び、大人になるために必要な力を身に付けています。その力とは、一人一人のよさを輝かせるために天中キャリア教育で身に付けたい4つの力。
     集団生活に必要なルールを決めるために、違う意見の人とも、きちんと向き合い話し合いました。これは、様々な人の多様な考えを認め合うとうこと、よりよい人間関係作りに必要な「関わる力」を身に付けることに役立ったことでしょう。

     話合いの過程で、友達の考えをしっかり聞くことができた人、自分の考えを筋道立てて発表することができた人がいるでしょう。この経験は、自分のよさを高め、生かしていく「見つめる力」の育成につながったことでしょう。

    また、今回の話合いは、天中の生徒みんなに関係する課題を解決するための話合いでした。その課題に、主体的に粘り強く取り組み、一つの結論を出しました。これは「追究する力」の育成に大いに役立ったはずです。
    そして、皆さんそれぞれが、自分の持てる力を発揮して学校のために考えたこと自体が、学校という社会に貢献したということです。将来社会に貢献できる大人になるために自分の生き方を考える「見通す力」を身に付けることにつながりました。
     
     このように、学校生活で経験することは、将来、自分のよさを輝かせて生きていく大人になるために必要な力を育てる、大事な経験だということを忘れないでください。

     また、3年生の入試前のサプライズ応援も、素晴らしい迫力でした。

     これはサプライズ応援を始めた2年前の写真です。この時も3年生への応援の気持ちは十分伝わったと思いますが、今年はこれ。本当にすごかった。3年生の教室前の廊下にずらっと勢ぞろいした応援団の迫力ある天中魂と全力校歌。2年前に先輩たちが始めたサプライズ応援は、皆さんのおかげで、天中の新しい名物となりました。これから天中の「伝統」になっていくことでしょう。
    参加してくれた皆さん、本当にありがとう。

     
     そして、3年生を送る会。残念ながら私はその場にいられなかったのですが、当日の夜、動画を見せてもらいました。動画からは、皆さんからの3年生への感謝の気持ちがあふれていました。3年生も心から喜んで楽しんでくれていました。各団のパフォーマンスもとても楽しかった。2年生、1年生をしっかりと導いてくれてありがとう。応援団の皆さんの声も体育館中に響き渡りました。大迫力の応援、ありがとう。

    皆さんの温かい気持ちが3年生に伝わり、天中が一つになった瞬間。

    みんなで丸くなって歌った全力校歌。これが、これまでみんなと先生たちで作ってきた今の天中の姿です
    「やっちゃえ!天中」そのものの姿です。初めてみたこの光景、先生たちも本当にうれしかったと思います。
     3年生から「天中魂」をしっかりと引き継いでくれたすべての1・2年生の皆さんとここまで生徒たちを導いてくださった先生方に心からお礼を言いたいと思います。ありがとうございます。


     明日は卒業式です。在校生代表として参列する2年生、3送会とは違う、卒業式にふさわしい感謝の気持ちの表し方は、きっと十分わかってくれていますね。感動ある卒業式にするためには、在校生の節度ある心のこもった振る舞いがとても大切です。頼みますよ。

     さて、皆さん、今日は修了式、修了式にちなんで今から質問をしますから、頭の中で答えを考えてみてください。まず一つ目この1年、うまくいかなかったことはありましたか?二つ目では、それをうまくいくようにするにはこれからどうすればよいと思いますか?

     最初に質問したのは、うまくいかなかった過去を振り返る質問。 二つ目は未来を考える質問です。人はよく自分で自分に問いかけます。失敗をしたとき、なぜできなかったのだろう?友達との関係がギクシャクしたとき、なぜこうなったのだろう?気分が晴れないとき、なぜこんなに嫌な気分になるのだろう?私たちの脳は無意識にこんなことを考えています。

     私は、脳はGoogleなどの「検索エンジン」と同じだと思います。
    例えば、「気分が落ち込む原因は?」とネットで検索すると、睡眠不足、人間関係のつまずき、健康上の問題・・など、原因と考えられるネガティブなものがいろいろと出ていきます。反対に「気分の落ち込みを解消する方法は?」と検索すると、睡眠をしっかりとる、だれかと話す、自分の思いをノートに書いてみる、散歩する・・などの解決方法が示されます。

     
     人間の脳もこれと同じ、とはどういうことかというと自分に対してうまくいかない原因を探る質問ばかりしている脳からはネガティブな答えばかり返ってきます。そして、どうせ自分はダメなんだ・・と考えなくてもいいことまで考えてしまう。それでは、物事はうまくいきません。そこで、必要なのが「未来の自分のための解決志向の質問」です。「どうしたらできるようになるか?」「なにを頑張ればうまくいくか?」と自分に質問してみる。そうすると、脳は自然に未来に向かって必要なことを前向きに考え出します。

     人が「どう成長できるか」は、その人が「何を考えるか」によって違ってくる、そして、「何を考えるか」は「自分に何を質問するか」によって変わってくる、ということです。この春休みは、すぐにやってくる4月に向けて、この1年を振り返ると同時に、未来の自分への解決志向の質問をして、自分なりの答えを見つけてほしいと思います。
     
     そして、ここにいる全員で、自分らしく自分のよさを輝かせて生きる大人に近づく努力をしていきましょう。
    新年度の始業式は4月4日、「やっちゃえ!天中」にふさわしい、やる気に満ちた皆さんに会えるのを楽しみにしています。