2学期の始業式で校長先生のお話を聞きました。紹介します。
1学期の終業式では
自分のよさを高め生かそうとする
「見つめる力」じっくりと毎日の生活の課題に対応し解決していく
「追究する力」を高めるために、「環境や他人のせいにすることなく、意志ある行動の選択を積み重ねていき、目標を達成しよう」という話をしました。
どうですか?
「意志ある行動の選択」はできましたか
それを受けて2学期最初の話は、
「その行動は本気か?究極の本気の行動で最高の自分をつくる」という話です。
こちらは3年1組の学級目標です。「石に矢を立てる」
「みんなで限界を突破する」という気持ちを込めて、ちょうど2年前の2学期の始業式で私が話をした「石に立つ矢」という言葉から、学級目標としてくれたと担任から聞きました
「石に立つ矢」とはどういう言葉か簡単に説明します。
昔、漢の国に李広(りこう)という人がいました。ある日狩りに出たとき、草むらの中にいる虎に気づきました。李広は虎を仕留めようと、思いっきり矢を放ちました。矢は見事に突き刺さりました。
しかし、近づいてみると矢が突き刺さっているのは、虎でなく大きな石だったのです。
こんなに硬い石に矢が刺さったことに驚いた李広は、
再度石に向かって矢を射てみましたが、二度と矢は刺さりませんでした。
この故事から、
「石に立つ矢」という言葉ができました。
本気で虎だと思って矢を射たときには刺さったのに、石だと知ってから射た矢は一本も刺さらなかったのです。わかりましたか?
「石に立つ矢」という言葉は、
普通なら無理だと思うようなことも、集中して本気で心を込めて行えば成功する、という意味の言葉なのです
。
「本気」とは
「真面目な気持ち」、
「真剣な気持ち」のことですね。ここで質問です。皆さん、「なにかに本気で取り組んだことがありますか?」
これ以上はできない、これが精一杯だと言えるぐらいの
「究極の本気」になったことがありますか?ふざけないように頑張る、とか、友達と同じくらいには努力する、とか、そのぐらいはみんな経験があるでしょう。でも、
「究極の本気」と言われたら、どうでしょうか?
頑張ったとは思うけど、もう少しやれたかも・・・・と思うとしたら、それはまだ
「究極の本気」ではありませんね。
皆さんには、この2学期
「究極の本気」を出してほしい。そして、毎日
「最高の自分」を更新してほしいと思います。
ただし、
「最高の自分」は、他人と比較して決めるものではありません。昨日の自分と今日の自分とを比べて、少しでも昨日より「成長」を感じることができたなら、今日の自分が
「最高の自分」です。そして、明日は今日の自分を超えていく。その積み重ねが自分の人生を作っていきます。
ある漫画の1シーンを紹介します
その漫画は「宇宙兄弟」です。テレビアニメや実写映画にもなりました。図書室にも途中までありますよ。内容を語っているととても長くなるので、一言で言うと、宇宙飛行士を目指す兄弟の話。3年生が生まれたころ、2008年から連載が始まって今も続いている漫画です。前後は省略します。
主人公が、ある人に「君にとっての敵はだれですか?」と質問されます。質問した人は自分の仕事がうまくいかなる原因を作っている人をすべて「敵」だと言いました。さて、聞かれた主人公の答えは?というと「俺の敵はだいたい俺です。自分の〝宇宙へ行きたい〟っていう夢をさんざん邪魔して足を引っぱり続けたのは結局俺でした。他に敵はいません。」
どうですか?「本気」とは気持ちを表す言葉。気持ちですから、自分が本当に本気かどうか、判断できるのは自分だけです。もし、本気の振りをして周りを騙したとしても、そうではないことは自分が一番よく知っている。敵は、他人ではなく、自分の怠け心、弱い心。だから、自分の敵は自分。主人公はこんなふうに考えたのかもしれません。
今、私の話を聞いて、漫画の主人公みたいにはできっこない、と思った人もいるでしょう。そのとおり、やる前からできっこないと決めていたらできるわけはない。「究極」どころか、ほんの少しの本気も出さず、行動もしなかったら、いつまでたっても昨日の自分と今日の自分は同じです。
「究極の本気を出して、毎日最高の自分を更新していくこと」で、自分が将来どんな大人になっていきたいか見つかっていくはず。自分の生き方を考える力である「見通す力」を育てることができます。
今日から始まる2学期、楽しいこともあれば試練もあります。皆さん一人一人と先生たちで「天中魂」を胸に、「究極の本気」を出して、毎日
「最高の天竜中」を作っていきましょう。やっぱり合言葉が
「やっちゃえ 天中」です。