命の参観日~共に生きる~はごろも「夢」講演会

2022年6月11日

    6月8日(水)の5、6時間目。
    入野小学校の体育館には、素敵な素敵な時間が流れました。
    なぜかというと、玉城ちはるさんというそれはそれは素敵な方をお迎えして
    はごろも「夢」講演会
    ”命の参観日~共に生きる~”
    という特別な授業が4~6年生の子どもたちを対象に開催されたからです。

    玉城ちはるさん、もう最高でした!!
    明るく、快活で、エネルギッシュ。

    飾らない感じが魅力的で、親しみやすく、子どもたちに気さくに語りかけてくださいました。
    子どもたちを大きな愛で包み込み、まるで太陽のような素敵な方でした。

    彼女のメッセージは、子供たちの心にまっすぐ届きました。
    透き通る伸びやかな声、身体全体を使って、手話を交えながらの表現力豊かな熱唱。

    入っ子たちも職員も、会場にいたみんなが一瞬で彼女の魅力に引き込まれました。

    (私は、もう大ファンになりました
    冒頭に、いきなり
    「私には、6人の孫がいるんです。」
    子どもたちからは、
    「え~っ!!!」
    と驚きの声が・・・。
    それも、そのはず、だって、ちはるさんは、まだまだとってもお若い。
    とてもお孫さんがいるようには、見えません。

    でも、お話を聞いて、会場内みんな納得!!

    ちはるさんは、24歳のとき、偶然の出会いから中国人留学生のホストマザーとなり、
    1つ屋根の下で、多くの留学生たちの”ママ”となって共に暮らしたんだそうです。
    そこから巣立っていった留学生たちに子供ができ、”おばあちゃん”になったんです。
    納得、納得。

    そんなちはるさんが、ホストマザーとなって感じたこと、それは・・・
    自分とは、ちがう人を排除しない。どう共に生きるかを考えることが大切。
    ということ。

    「異文化と聞いて、思い浮かべることは?」
    「給食を残さず食べる?それは、どうして?」
    などと問いかけ、子どもたちを巻き込みながら講演が進みました。
    たくさんの子が挙手。どんな答えを発表しても、温かく認めてくださるので、安心して話せると思ったのだと思います。

    中国人留学生のために一生懸命に作った中華料理。どんなにがんばってもいつも残されてしまう。
    だから、あるとき、聞いたのだそうです。
    「なんで、こんなに頑張ってるのに、残すの!!失礼でしょ!!」
    彼からかえってきた返事は、
    「ぼくの育ったところでは残さず食べることが失礼なことなんだ。」
    自分が受けた教育が、自分の持っている価値観が絶対正しいと思って、
    人を責めてしまった自分だった!!足りなかったのは、対話だった!!
    そんな彼女が子供たちに伝えてくださったメッセージは・・・
    「あなたの気持ちを伝えてください。大切なのは、対話です。」
    あなたのことは、あなたにしかわからない。
    なんとなく分かってくれるだろうでは、だめ。言葉にしなくては、いけない。
    あなたの気持ちを言葉にして伝えてほしい。
    そして、あなたの気持ちを教えて、わたしは、あなたじゃないから。


    休憩の時間になると、自然とちはるさんの周りに子どもたちが近づいてきて・・・
    あっという間に大きな輪ができました。幸せそうな笑顔の輪ができました。

    休憩の後には、”やさしさ貯金ゲーム”を教えてもらいました。
    けんかをしても、仲直りができるゲームです。
    直してほしいところと、いいところをセットにして伝えて、
    「ありがとう(感謝)、ごめんね(反省)。大好きだよ(愛情)。」

    と伝えるゲームです。

    まずは、先生たちでお手本を・・・子供たちに選ばれてしまった(?)若い2人がやりました。
    さぁ、子供たちも・・・と思ったら、子どもたちから、さらにリクエスト!
    なんと、校長先生となかよし2組担任O先生とで、もう一回!!
    「校長先生は、おだやかで、いつも落ち着いていらっしゃいます。」

     
    「先生は、いつも熱心に子供たちを指導してくださり、感謝しています。
    でも、もっとわたしとお話してください!」

    ものすごい盛り上がりました。
    (玉城さん曰く・・・お手本のおかわりは、入野小が初だそうです

    そして、会場内の子供たちも近くの友達と”優しさ貯金ゲーム”をちょっぴりやってみました。
    幸せな笑顔があふれました。
    けんかをしたとき、相手の直してほしいところだけを言うと、いやになっちゃう。
    だから、いいところとセットにして伝えて、改善点を提案する。
    そうすれば、きっときっと仲直りができる!!
    「教えてくれてありがとう。分かってあげられなくてごめんね。
    あなたのことが好きなんよ。」

    近い関係だからこそ、泣いて喜ぶ人がいるんです。
    (どうやらこの日、家に帰ってすぐに家族とこの優しさ貯金ゲームをした子がいるみたいです。)
    ところどころに、歌を交えながら進む、楽しく、分かりやすく、真剣に
    人と共に生きるということは、どんなことなのかを考える素敵な講演。

    玉城さんが伝えてくださったメッセージは、もう一つあります。
    自ら動き出せる人になってください。
    父を自殺で亡くしたとき、なんで、だれも助けてくれないんだって思った。
    でも、自分がだれかのために動く。すると、自分を信じられるようになった。
    すると・・・人を信じることができた。人から信じられるようになった。
    どうか、困っている人に手を差し伸べられる人になってほしい。


    じんとしました。とっても、とっても説得力がありました。
    質問タイムになると、子どもたちからこんな質問が出てきました。
    「お父さんとお母さんがけんかしてしまったとき、口出ししない方がいいですか。」
    優しさ貯金ゲームをぜひ、やってみて・・・
    「お兄ちゃんやお姉ちゃんが構ってくれません。どうしたら・・・」
    あなたの気持ちを言葉にして伝えてみて・・・
    「お母さんが、一言多いので、何とかしたいのですが・・・」
    あなたのお母さんは、頭の回転が速くて賢い人なのですよ~。
    「ぼくは、チャレンジしてうまくいかないとき、自分を責めてしまうのだけど・・」
    自ら動いてチャレンジしたからこそ、失敗という経験をした。
    失敗したからこその成長もあるから、大丈夫!

    ・・・すっかり、お悩み相談タイムでした。
    (ちなみに、教員からのお悩み相談もありました・・・。)

    講演の最後には、”笑い泣き”という曲を熱く熱く歌ってくださいました。
    伸びやかな声に聞き惚れる子供たち。
    今日のすてきな講演への感謝の気持ちを伝えるために6年生の代表児童より、お礼の言葉と花束の贈呈をしました。
    「玉城ちはるさん、ありがとうございます。大好きです。
     今、入野小の体育館の中は、温かい空気でいっぱいです。
     今日のお話で心に残ったのは、相手のことを知ろうとすること、対話することが大切ということです。
     私は6年生として、友達のことも、下級生のことも、これから出会う人のことも知ろうと、
     そういう努力をしていきたいと思いました。
     楽しかったです。ありがとうございました。」
    わたしたち教員も、自分の価値観を、押し付けず、自分の考え方を当たり前と思わずに、
    周りの人との対話を大切にしながら、子どもたちのため、自分の周りの全ての人のために、
    自ら動き出せる人でありたいと思いました。

    遠方より入野小においでいただき、素敵な”命の参観日”をありがとうございました。
    周りの人を大切にしていこうという気持ち、命を大切にしていこうという気持ち
    そして、前向きに生きていこうというエネルギーをたくさんチャージしていただきました。

    いつかまた、お会いできる日を楽しみにしています。
    玉城ちはるさ~ん!!
    入野小学校より、愛を込めて、伝えます!!
    ありがとう!だいすきだよ~!

    なお、この講演は、●公益財団法人●はごろも教育研究奨励会の助成により実施しました。