2学期始業式 ~校長先生のお話~

2024年9月4日
    始業式から 数日。生徒たちも先生たちも… 少しずつ 学校での生活のペースが戻ってきましたsad
    遅くなりましたが、始業式での校長先生のお話を紹介しますlaugh


    2学期が始まります。
    抱負を述べてくれた4人の代表のみなさん、ありがとう。みんなの本気が伝わって、2学期の活躍が楽しみになりました。
    1学期の終業式で「挑戦し続けている限り、人は成長する。そのことを実感できる夏休みにしてほしい」。そのために「目標を定め100回、100日続けてみる、すると 成長は、ある時を境に加速度的に訪れる。その目安が100回、100日である」と話しました。なにか始めた人はいますか?夏休み期間ではまだ100回、100日に届いていないでしょう。継続して頑張っていることがある人はぜひ続けてください。夏休みに目標が定まらなかった人は、今日、何かを初めてみてください。
     
    さて、この夏休み、世界のビックイベントは何と言ってもパリオリンピックでしたね。日本が獲得したメダルは、金20、銀12、銅13。これは日本にとって海外で開催されたオリンピックの中で過去最高の数だそうです。

    天竜中卒業生の鈴木海音選手も1次リーグのイスラエル戦にフル出場、日本の勝利に貢献しました。このピッチに立つまでの海音選手の努力は100回、100日どころではなかったはずです。あるデータでは、日本のサッカー人口は約224万人、その中でオリンピックに出場することがいかに難しいか、私たちが想像もつかない努力を積み重ねてきた結果でしょう。

    試合後、海音選手はこんなことを言っています。「ずっと目標にしてきたのですごくうれしかった。自分の力不足を感じたが、すごく楽しめた。ピンチは何回かあったが、チーム全員で守りきれたのは収穫。」海音選手にとってこの経験はもっと高い目標に挑戦する勇気とエネルギーになったことでしょう。今日もA代表入りを目指して、成長し続けているはずです。
     
    一方、思うような結果が得られた選手ばかりではありません。
    期待された結果が出ず、悔し涙を流した選手、茫然と肩を落とす選手その場に倒れこむ選手もいました。勝負の世界は必ずしも努力が報われるとは限りません。

    期待されたメダルに届かなかった選手の話をします。
    パリで初めて競技種目となったブレイキン。この種目の日本代表と言えば、男子のSHIGEKIXこと半井重幸選手。2023年世界ランキング1位で臨んだパリオリンピック、もちろん金メダルを期待されていましたが、惜しくも4位という結果となりました。その時の彼のコメントを紹介します。「パリまでの道のりもオリンピックそのものも、僕にとっては本当にかけがえのない時間でしたし、必要な挑戦だったので、人としてもダンサーとしても成長できました。僕はまだ22歳です。この経験をしっかりつなげていきたいです。」
    「挑戦することによって、たとえ思うような結果にならなくても、人として成長することができる」彼の言葉はそれを教えてくれています。

    28日からはパラリンピックも始まりました。今朝は早速、浜松市出身の鈴木孝幸選手が、50メートル平泳ぎで金メダル獲得というニュースがありました。鈴木選手はパラリンピック6回目の出場、しかも今回の記録は自己ベストだそうです。鈴木選手は37歳。初出場の21歳の時も金メダルを獲得しています。その後、当時の自分の記録を超えることができなかったのですが、自分との約束として自己ベスト更新を目指して挑戦し続け、16年ぶりに自分との約束を果たしました。人は挑戦し続ける限り成長する、まさにその通りのことを見せてくれました。
    これからたくさんのアスリートが挑戦する姿を見せてくれます。応援したいと思います。
    そして、もう一つ、私がこの夏休み、はまったものを紹介します。
    それは「ブルーピリオド」、7年前から連載が始まった漫画です。夏休みには映画も公開されました。

    主人公は高校2年生の矢口八虎、友達に付き合って遊んでいてもテストで学年4位をとるように、それなりには努力をしているので結果を残しています。でも、八虎はいつもこう思っています。「テストの点を増やすのも人付き合いを円滑にするのもノルマをクリアする楽しさに近い。みんなが俺を褒めるたびに虚しくなる。この手ごたえのなさはなんなんだ・・」 

    そんな八虎は、あることがきっかけで絵を描く面白さに目覚め、2年生の夏休みを前に美術部に入部しました。しかし、家では母親が将来安定した職業に就くことや学費を考えて国公立大学へ進学することを勧めてきます。八虎は、母親の言葉から、好きな絵を描くことに迷いが生じてしまいます。絵を描くのは趣味でいい、美大に行かなくでも絵は描ける、絵を描くのは好きだけど、それを「ガチでやる意味があるのか」と悩みます。そんな八虎に美術部顧問は「頑張れない子は好きなことがない子」だったと言いました。
    八虎が、今から頑張って美術大学に入れるかどうか聞くと、「わかりません。でも好きなことをする努力家は最強」だと教えてくれました。その言葉に励まされ、八虎は倍率200倍ともいわれる国立の東京藝術大学受験を決意します。受験まで残り650日。八虎は「描いた枚数と上手くなった分だけが自分の自信だ」と言い聞かせ、がむしゃらに絵を描くことに取り組みます。
    しかし、当然、挫折もあります。好きなことをやっているからといって、楽しいばかりではありません。絵を描くのが怖い、と頭を抱えたこともありました。そんな八虎に、予備校の大葉先生は「一位の絵ではなく、自分の最高の絵を目指せ」と言います。
    そして、藝大受験前日、八虎たち受験生に向かって大葉先生が言った言葉は「この数カ月君たちは自分の弱さと強さに向き合った、そして描き続けた、それは結果ではなく必ず君たちの財産になる」。
     
    これらの言葉は、人と比べるのではなく、自分にとってのベストを目指して努力し続けることの価値を教えてくれています。
    映画は藝大無事合格で終わっていますが、漫画は現在、八虎の大学生活を描き、ここでも、たくさん苦しみでも挑戦し続ける八虎の姿が描かれています。

    今日から始まる2学期、合言葉はやっぱり「やっちゃえ 天中」。目標を達成するためには、苦しいことやつらいことはあって当たり前。簡単には届かないからこそ、「目標」なんです。それに向けて、努力を続けることに価値がある。そして、挑戦を続ける限り成長できる。何を努力するのか、何に挑戦するのかを決めるのは自分です。
    皆さん一人一人が成長できる2学期にするために、そして、天竜中全体がさらにレベルアップするために、先生たちも全力で頑張ります。