1学期 終業式 Part2

2024年7月24日
    昨日の終業式での 校長先生のお話を紹介します。

    1学期の終業式を迎えました。
    振り返りを述べてくれた高橋さん、慶田元さん、玉木さん、前島さん、ありがとう。それぞれに精一杯努力した1学期であったことがよくわかりました。

    この1学期で、1年生「13歳の自律」、2年生「14歳の挑戦」そして、3年生「15歳の志」それぞれに目指してほしいところに近づいているでしょうか?

    終業式にあたり、まずはお礼を言います。中体連夏季大会に向けて3年生を全力で応援してくれた応援団と下級生の皆さん、ありがとう。3年生はその気持ちを受け止め、本当によく頑張りました。
    結果は、満足のいくものだった人もそうではない人もいたでしょうが、だれもが、「もう一回がない試合」に全力で臨み、最後まで戦い抜いてくれました。一人一人の成長、頑張りに私から改めてお礼を言います。ありがとう。

    ここまで頑張ってきたことに対して、自分に自信をもってください。その自信がこれからの皆さんを後押ししてくれるはずです。多くの会場で、保護者の方や卒業した先輩たちに会いました。皆さんは、応援してくれるたくさんの人に支えられてここまできました。その思いを受け止め、これまで応援してくれた人たちに感謝をし、部活動を通して学んだことをこれからの自分にどう生かしていくかを真剣に考えてください。
    これから県大会に出場する人もいます。その先を目指している人もいます。吹奏楽部もコンクールが待っていますね。
    外部のクラブチームで頑張っている人もいます。ジュビロの皆さんは全国大会に出場するそうですね。
    みんな、いつも、どの試合も「もう1回はない」という強い覚悟で力の限り頑張って!応援しています。
    1・2年生は先輩たちの姿から多くのことを学んだはずです。伝統の「天中魂」を引き継いでください。
    明日からは夏休みです。

    1学期の始業式で「挑戦の結果には、成功と成功に向かう学習がある」という話をしました。うまくいかなかったら、その原因を分析し、次はどうするかを考えて実行し続ける。そうすることが「成功に向かう学習」。この学習を積み重ねた先に、成功がある。という話をしました。

    そして、この1学期には学校外の大人から話を聞く機会がありましたね。
    5月には、黒柳誠さんとカピゴン松島さんの話を聞きました。黒柳誠さんは「失敗とは、成長である。」と話してくれました。カピゴン松島さんは、「失敗は経験値をゲットするチャンスだ」と言いました。

    6月には神野大地さんの講演がありましたね。演題は「僕は迷ったときに挑戦的な選択をしてきた」。挑戦的な選択とは、自分の心がワクワクする選択、自分の意志で決めた選択、今の自分より少し頑張れば達成できるレベルの選択。さらに、「挑戦し続けている限り失敗はない、うまくいかなくても挑戦前より必ず前に進んでいる。本当の失敗とはチャレンジをやめることだ。」と話してくれました。

    どの話にも共通しているのは、「挑戦している限り人は成長し続け、その先に目標達成という成功がある」ということだと思います。
    もう一人、天竜中の先輩、ジュビロ磐田の鈴木海音選手の話をします。

    海音選手は、この2年間、パリオリンピックの代表に入ること目指してきました。日本チームが出場権を獲得するための大会にも代表選手として出場し、6月にはアメリカ遠征のメンバーにも入っていました。手が届きそうなところまで来ていたオリンピックの代表、しかし、いよいよ代表18人を決める段階で、枠から漏れてしまいました。ずっと同じ代表として、切磋琢磨してきたチームメイトが選ばれ、最後に自分は選ばれなかったという現実。当然悔しい思いがあるはずです。

    でも、海音選手は、その気持ちを切り替えて忘れるのではなく「悔しさを持ち続けて、忘れることなく、今の実力が足りなかったことをしっかりと受け止めて、もっと成長したい。」と言っています。
    海音選手は、「悔しさ」を落ち込む材料にするではなく、もっと高い目標に挑戦する勇気とエネルギーに変換しているのだと思います。それがとても大事。海音選手に、挑戦をやめる選択肢はありません。ここから目指すのはA代表。世代別の代表ではなく、年齢制限のない名実ともに日本のトップ選手です。いつもいつも、努力したことがそのまま報われ、すんなり目標が達成できるとは限りません。それを「失敗」と考えるのではなく、悔しさを原動力に、次の目標を定めて挑戦を続ける。一歩ずつ成長し、その先にあるA代表を目指す。海音選手には、すでにそのロードマップがしっかりと出来上がっているのだと思います。

    そんな海音選手、今、代表チームのバックアップメンバーとして、パリにいます。もしかしたら出場のチャンスがあるかもしれません。そして、なんと、パリに出発する前に孝先生に皆さんへのメッセージを託してくれました。読みますね。「天竜中学校の皆さんへ パリオリンピック代表選手発表で、バックアップメンバーとして名前を呼ばれた時は、悔しさしかなかったです。自分が目指してきたオリンピックのために、それを常に日常のモチベーションとして日常生活から取り組んできましたから。でも、帯同が決まり、やってやろうという気持ちと必ずA代表に入ろうという強い決心が生まれました。もちろん、パリでメダルを取ることも目標です。そのための準備はしてきたという自信があります。チャンスが回ってきたらそれを存分に発揮したいと思います。応援よろしくお願いします。鈴木海音」

    さすが天中魂をもった先輩です。強い心で戦おうとしています。これまでの自分の努力を信じている。目標が少しもブレていない。とてもうれしいことです。この夏休み、みんなで先輩を応援しましょう。
    そして、皆さんも同じです。挑戦をやめない限り成長し続けます。

    ただ、挑戦し続けることが難しいのも事実です。何かを継続することは実はとても難しいことなのです。以前、こんな話を聞いたことがあります。
    「努力はコツコツと積み上げていかなければならないが、その結果である成長は、努力の積み上げには比例しない。」努力した分だけ目に見えて成果が出れば続けられるのでしょうが、なかなかそうはいきません。やってもやっても成果が出ないと続けることが嫌になってしまいますね。

    ではどうしたらよいのか。

    この話には続きがあります。「成長はある時を境に加速度的に訪れる。その一つの目安が、100回、100日である。」
    努力と成長の関係を分かりやすくグラフにしてみます。
    努力は積み上がるから直線、成長は努力に比例せず、まっすぐ積み上がらないから曲線。

    最初はなかなか成果がでません。少し成長したかと思うと下がったり停滞したり・・・でも、続けているうちに2本の線が必ず交わります。ここが突破口となり加速度的に成長する、時間とともに、どんどん成長していくようになる、ということです。
    その「突破口」となる目安が、100回、100日です。目標達成のために、まずは、何かを100回やる、とか100日続ける、と決めてみます。例えば英語のテストで10点アップという目標に向けて1日3単語覚えることを100日続ける、次の試合で勝つという目標に向けて毎日素振りを100回繰り返すなど、なんでもかまいません。

    目標を定め、とりあえず、100回、100日頑張ってみる、くじけそうになったら、このグラフを思い出して、今は成果が出なくても必ず突破口がやってくると信じ100回、100日続けるのです。何を続けるかを決めるのは自分です。
    そして、やり続けることで、いずれは目標を達成できるだけではなく、さらに、一生ものの力も身に付きます。
     
    それが天竜中キャリア教育で身に付けたい自分のよさを高め生かそうとする「見つめる力」や様々な課題に対応し解決するために必要な「追究する力」。これは、これから長い人生を生きていく皆さんには、絶対に必要な力です。

    明日からの夏休みは、この力を高めるチャンスです。何か一つ目標を定め、達成のための挑戦を続けましょう。うまくいかないことがあっても、そこで終わりにしない。しつこいようですが、「挑戦し続けている限り、人は成長する。」そのことを実感できる夏休みにしてください。

    最後に一つだけ。自分や他者の命を大切に。水の事故や交通事故にあわないように、事件に巻き込まれないように、そして、自分で自分を傷つけたり人を傷つけたりしないように。

    2学期始業式は8月30日、天中生は全員、挑戦を続け成長した晴れ晴れとした笑顔で集合です。待ってます。