いのちについて考える日

2024年6月10日
    今日は 【朝会】の日。
    今回の朝会は、「こころの日」として、校長先生が『命』についてお話してくださいましたsad

    お話を紹介します。
    今日は「命について考える日」の話をします。
    浜松市の小中学校においては、市内一斉に6月12日は、「命について考える日」となっています。

    2012年6月12日、浜松市の中学2年生がいじめを受けていたことに苦しみ自ら死を選んだことから、2度とこのような悲しい出来事が起こらないように、自分の命、他者の命の大切さ、重さについて考える日としました。

    今画面に映っている詩は、谷川俊太郎さんの「自分をはぐくむ」という詩です。
    ここでは読みませんが、後で職員室前に掲示した時に読んでみてください。今日の話で私が伝えたいことが分かってもらえると思います。
     
    さて、5月27日の朝会を思い出してください。

    「人権」について話をしました。
    誰もが生まれながらに人間として自分らしく幸せに生きる権利である「人権」。人権とはすべての人に平等にある権利であるという話をしました。人々が、自分と他者の人権を尊重し、互いに幸せに生きていけるように努力するからこそ、社会は成り立っています。
    皆さんは、学校という一つの社会の中で、周囲の友達や先生と挨拶を交わしたり、仲間と力を合わせ一つのことに取り組んだりすることを通して、たくさんの人と心を通わせながら成長しています。

    こうして成長することも、誰もが持っている「社会の中で自分らしく幸せに生きる権利」なのです。
     

    5月の生き方講話では、くろちゃんとカピゴン松島さんから、前向きに生きるためのたくさんのヒントを教えていただきました。終わったあと、くろちゃんがみんなに伝えてほしい、と言っていたことがあるのでここで伝えます。

    くろちゃんが20歳の時、おばあさんが突然亡くなったそうです。昼間は元気だったのに、夜突然倒れ、亡くなってしまったそうです。くろちゃんが、今だに後悔しているのは、おばあさんとの最後の会話。その日、おばあさんがくろちゃんに何かを注意をしてくれたことに対して、うるさく思ったくろちゃんは「死ね」と返事をしたそうです。
    注意に対してムッとして、思わず言ってしまったこの言葉、これがおばあさんに言った最後の言葉になってしまった。くろちゃんはその時のことを強く後悔し、「ありがとう」という言葉を大切にするようになったそうです。

    あまり深く考えず、「死ね」という言葉を口にする人、いますよね。それが相手との最後の会話になったとしたら、どうでしょうか?
    また、何気なく言った言葉が相手を深く傷つけることになったら、どう思いますか?
    その言葉で、あまりに傷つき、本当に自ら死を選ぶ人もいるかもしれません。それに、自分が発した言葉を最初に一番近くで聞くのは自分です。人を傷つける言葉は、そのまま自分に返ってきます。私たちが自分や他者の人権を守るためには、お互いが自分の言葉に責任を持つことが大切です。

    「命について考える日」にあたり、誰もが持っている「自分らしく幸せに生きる権利」を奪うような行為は、絶対にしてはいけないということを、改めて一人一人の心に刻みこむことを願います。
    そして、もし、今辛い思いをしている人がいたら、すぐに近くにいる大人に伝えてください
    天竜中の先生たちは、皆さんの話に耳を傾け、皆さんを全力でサポートしようと思っている先生たちばかりです。
    信頼してください

    今年も、一冊の絵本を読みます。今年のお話は、「たいせつなきみ」という題名です。誰が誰を大切にする話なのか、考えながら聞いてください。

    『たいせつなきみ』(マックス・ルケード作)

     
    いかがでしたか?

    自分の価値を他人が決める、そんなシールを貼り付け合うこびとたち
    だめシールばかり貼られているパンチネロと、シールが一つもない、誰かが付けようと思っても貼りつかないルシア。
    この二人の違いは何でしょうか? なぜルシアにはシールが貼りつかないのでしょうか?

    パンチネロやルシアを作ったエリは「わたしはおまえのことをとても大切だと思っている」と言いました。パンチネロは自分がだれかに大切に思われていること初めて知りました。

    そして、「シールがくっつくようにしていたのはおまえ自身なんだよ」というエリの言葉の意味を考え始めたとき、シールが一つ落ちました。
     
    絵本の題名は「たいせつなきみ」

    誰もが、誰かにとって大切な「きみ」です
    皆さん、自分を大切に思ってくれている人を思い浮かべてください。家族や友達など、それぞれに思い浮かぶでしょうね。
    もう一人、皆さんを心から大切に思っている人がいます。それは、目の前にいる担任の先生です。
    どうせ自分なんか・・・と思いそうになった時、自分を大切に思ってくれている人を思い浮かべてください。

    そして、もう一つ、自分の価値を決めるのは他人ではなく自分自身自分は、自分にとって価値ある大切な存在なのだ、ということを忘れないでください。



    校長先生のお話を聞いた後、かんじたこと、考えたことをまとめ、一人一人が「いのち」について考えました。

    明日の道徳の時間には、それぞれの学年ごと、「いのち」について考える学習をする予定です。