遠州綿紬で小物つくり

2024年11月20日
     2年生の家庭分野の授業では、布を用いた製作活動を行っています。本校では、「遠州綿紬」を使って、小物製作に取り組んでいます。まつり縫やなみ縫い、玉止め等々、縫製の基礎となる技能を活用し、手縫いを中心とした製作です。これらの技能はすでに小学校でも学習していますが、久しぶりにやってみるとなかなかうまくいかず、苦労している生徒も見られます。中にはすいすいと製作が進み、他の生徒に教えるゆとりのある生徒もいて、和やかな雰囲気で授業が進んでいます。完成が待ち遠しいです。
     ご存じの通り、遠州綿紬は本地域を含む遠州地方で古くから伝わる織物です。綿花栽培が盛んに行われていたころ、綿紬が一大産業としてこの地域に根付きました。しかし、時代の流れとともに衰退し、一時は消滅の危機に。そんなときに、受け継ぐべき若い世代が立ち上がり、綿紬の文化を伝承しようという流れができました。市内の中学校では、遠州綿紬を「伝統文化の継承」とも関連させ、紬の風合いや手触りの心地よさ等、布が持つ特徴を伝えながら、授業に活用している学校が多数あります。販売店側も努力し、綿紬を使ったブックカバーやポーチ、スリッパ等々を製造して、今では、百貨店や雑貨店等でも購入でき、かなり身近な存在となっていると感じます。
     多彩な縞模様が今どきの世代にも受け入れられるなど、時代のニーズと融合しながら、遠州地域の素晴らしい文化がつながっています。今回製作した小物を大切にするだけでなく、遠州綿紬に益々の関心を寄せてほしいと願います。

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