夏休みには、庄内学園の先生が庄内学園の児童生徒の皆さんに向けて、メッセージを送ります。
今日はI校長先生からのメッセージです。
子供たちがいない学校は何とも寂しい。
子供たちは夏休みであっても職員は勤務である。午前中はまだ高等部の生徒たちが部活動をやっているから活気がある。8年生と7年生の新チームの声や音がする。「新チームよ、先輩がいないけれど、いや、いないからこそ頑張れ!」と心で叫ぶ。
夏休みも時々校長室から抜け出して練習を見に行く。この前は水泳部の練習を見に行き、プールの点検を兼ねて空いているコースで泳いだ。「テクノロジー課」の子たちが人力ボートの試走をするという時にも、呼ばれてもいないのにプールの中で応援した。 女子バレーボール部の新チーム練習の初日も体育館に行った。楽しい。一生懸命に取り組んでいる子供たちを見るのは楽しい。
私が学校にいるのは子供たちとかかわりたいからだろうなあ、もっと言うなら子供たちに構ってもらいからかもしれないなあ。やっぱり子供たちの成長をこの目で見たいんだろうなあ。
自問自答が続く。メタ認知が続く。
庄内学園に着任した日から校長室の扉は開けっ放しだ。気を遣った職員が校長室を出ていくときにそっと閉めてくださる時もあったが、その度に自分で開け放つので、さすがに、着任1週間で誰も扉を閉めることはなくなった。
鍵がかかる校長室に一人で居るのはなあ。扉が閉まっている校長室に一人で居るのはなあ。
本学園の校長室は、職員室とは廊下一本隔てられた所にある。
他の学校では、職員室と扉一枚でつながっている校長室もあるのだが、庄内学園の校長室はいわばスタンドアローンだ。スタンドアローンは寂しい。「扉を外して暖簾にしよう」と提案もしたが現実的でなく、大人げないと反省して自ら取り下げた。だから、出入口の扉は開けっ放すことにした。開けっ放せば校長室は廊下と職員室につながるオープンスペースと化す!
開けっ放しの校長室の前の廊下を子供たちが通る。さらに子供たちをここに集めるために、校長室前の廊下に「新刊立ち読みコーナー」を作って新刊本を置いた。「進路コーナー」も作って高等学校のパンフレットも置いた。
さすがに校長室と職員室の間の廊下だから、子供たちも気遣って声のトーンやボリュームを下げて通るのだが、休み時間に友達と一緒に廊下を歩く時間は楽しそうである。授業の先生との連絡だろうか、移動教室だろうか。「新刊立ち読みコーナー」に置かれた新刊を見た子が「あ、私、この本読んだ!」「このシリーズの最新刊、出たよ」。しめしめ。
「何々?どの本?」「最新刊、面白かった?」。開けっ放しの校長室から、子供たちに話しかける。
廊下を通る陸上競技部の子に「どう?最近、調子は。」と聞く。野球部の子に「この前の練習試合で大きいのを打ったって聞いたよ。すごいじゃん。」と話しかける。教室移動で通る9年生に「今から音楽?いい声、聞かせてね。」と言う。
突然校長室から出てきて話しかける校長にも、子供たちはもう慣れたものだ。「ありがとうございます。いい感じです。いつも応援ありがとうございます。」などとちゃんと答える。校長が話しかけなくとも、廊下を通る子供たちは校長室をちらと覗き、「こんにちは!」と元気に挨拶をする。下校の時にほぼ毎日校長室に来て「校長先生、さようなら!」と挨拶をする子たちもいる。「校長先生、今日も一日ありがとうございました!楽しかったです。」と言いにくる子もいる。誠実でしっかり対応する優しい子たちばかりだ。こちらこそ、「ありがとう」だ。校長を構ってくれてありがとう。
夏休みの夕方は寂しい。
子供たちが部活動や夏の勉強会から帰ってしまっていて、いないからだ。私が話しかける子がいないからだ。私に話しかける子がいないからだ。私が構う子がいないからだ。私に構ってくれる子がいないからだ。
早く、夏休みが終わらないかなあ。やっぱり、子供たちがいないと学校は寂しいなあ。
今日はI校長先生からのメッセージです。
子供たちがいない学校は何とも寂しい。
子供たちは夏休みであっても職員は勤務である。午前中はまだ高等部の生徒たちが部活動をやっているから活気がある。8年生と7年生の新チームの声や音がする。「新チームよ、先輩がいないけれど、いや、いないからこそ頑張れ!」と心で叫ぶ。
夏休みも時々校長室から抜け出して練習を見に行く。この前は水泳部の練習を見に行き、プールの点検を兼ねて空いているコースで泳いだ。「テクノロジー課」の子たちが人力ボートの試走をするという時にも、呼ばれてもいないのにプールの中で応援した。 女子バレーボール部の新チーム練習の初日も体育館に行った。楽しい。一生懸命に取り組んでいる子供たちを見るのは楽しい。
私が学校にいるのは子供たちとかかわりたいからだろうなあ、もっと言うなら子供たちに構ってもらいからかもしれないなあ。やっぱり子供たちの成長をこの目で見たいんだろうなあ。
自問自答が続く。メタ認知が続く。
庄内学園に着任した日から校長室の扉は開けっ放しだ。気を遣った職員が校長室を出ていくときにそっと閉めてくださる時もあったが、その度に自分で開け放つので、さすがに、着任1週間で誰も扉を閉めることはなくなった。
鍵がかかる校長室に一人で居るのはなあ。扉が閉まっている校長室に一人で居るのはなあ。
本学園の校長室は、職員室とは廊下一本隔てられた所にある。
他の学校では、職員室と扉一枚でつながっている校長室もあるのだが、庄内学園の校長室はいわばスタンドアローンだ。スタンドアローンは寂しい。「扉を外して暖簾にしよう」と提案もしたが現実的でなく、大人げないと反省して自ら取り下げた。だから、出入口の扉は開けっ放すことにした。開けっ放せば校長室は廊下と職員室につながるオープンスペースと化す!
開けっ放しの校長室の前の廊下を子供たちが通る。さらに子供たちをここに集めるために、校長室前の廊下に「新刊立ち読みコーナー」を作って新刊本を置いた。「進路コーナー」も作って高等学校のパンフレットも置いた。
さすがに校長室と職員室の間の廊下だから、子供たちも気遣って声のトーンやボリュームを下げて通るのだが、休み時間に友達と一緒に廊下を歩く時間は楽しそうである。授業の先生との連絡だろうか、移動教室だろうか。「新刊立ち読みコーナー」に置かれた新刊を見た子が「あ、私、この本読んだ!」「このシリーズの最新刊、出たよ」。しめしめ。
「何々?どの本?」「最新刊、面白かった?」。開けっ放しの校長室から、子供たちに話しかける。
廊下を通る陸上競技部の子に「どう?最近、調子は。」と聞く。野球部の子に「この前の練習試合で大きいのを打ったって聞いたよ。すごいじゃん。」と話しかける。教室移動で通る9年生に「今から音楽?いい声、聞かせてね。」と言う。
突然校長室から出てきて話しかける校長にも、子供たちはもう慣れたものだ。「ありがとうございます。いい感じです。いつも応援ありがとうございます。」などとちゃんと答える。校長が話しかけなくとも、廊下を通る子供たちは校長室をちらと覗き、「こんにちは!」と元気に挨拶をする。下校の時にほぼ毎日校長室に来て「校長先生、さようなら!」と挨拶をする子たちもいる。「校長先生、今日も一日ありがとうございました!楽しかったです。」と言いにくる子もいる。誠実でしっかり対応する優しい子たちばかりだ。こちらこそ、「ありがとう」だ。校長を構ってくれてありがとう。
夏休みの夕方は寂しい。
子供たちが部活動や夏の勉強会から帰ってしまっていて、いないからだ。私が話しかける子がいないからだ。私に話しかける子がいないからだ。私が構う子がいないからだ。私に構ってくれる子がいないからだ。
早く、夏休みが終わらないかなあ。やっぱり、子供たちがいないと学校は寂しいなあ。
次回のサマーレターは、I教頭先生からです。お楽しみに