2022サマーレター! ~2年S先生~

2022年8月27日
    夏休み期間中、先生方から生徒の皆さんへ
    残暑見舞いとして、
    メッセージをお届けします

    今回の担当は、2年担当のS先生ですsad
     
    三ヶ日中学校のみなさん、こんにちは!
    最近はプロテインバーにハマっているS藤です
    今日は皆さんに、あることわざを紹介したいと思います。人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」ということわざです

    ことわざを説明するために、小学3年生当時の私、S少年の夏休みの思い出を聞いてください

    小学3年の夏、家族で神奈川県の箱根に旅行に行きました。ガラスの森美術館や湯豆腐、箱根温泉の黒たまごなど、とても楽しかったのを覚えています
    たまたま立ち寄った昆虫展示の施設ではイベントが開催されていて、なぜかパラワンオオヒラタクワガタを配布していましたcheeky
     
    話が少し脱線するのですが、当時ムシキングというアーケードゲームが爆発的に流行していました。小学生たちはゲームセンターに行っては画面上のカブトムシとクワガタムシを戦わせていたものです。
    どんなカードがゲットできるかというワクワク感や、カードをコレクションして虫同士を戦わせられること、敵との読み合いに勝つと技が出せること、大迫力のゲーム演出など、当時としては画期的で斬新な仕掛けが多く、多くの子どもたちの心を鷲づかみにした亜種格闘ゲームでしたwink
     
    ゲーム内では、世界中のカブトとクワガタに100~200まで、強さが割り振られていました。日本カブトムシなら120、日本オオクワガタは140、といった具合です。
    中でもレアカードはみんなの憧れでした。パラワンオオヒラタクワガタは強さ180という超レアカードでした。誰もが憧れるパラワンオオヒラタクワガタの、カードではないホンモノを手に入れたことで、とても興奮したのを覚えています
     
    パラワンオオヒラタクワガタと共に浜松に帰ってきて、いざとなってみると飼い方が分からず、さてどうしたものかと困ったのですが、近所に住んでいたこれまたムシキング好きの友人T君に譲ることにしました。
    T君は、ふた付きの大きな衣装ケースにカブトムシを20匹ほども飼っていて、虫の飼育を得意としていました。パラワンオオヒラタクワガタをあげたら目をキラキラさせて、とても喜んでくれました
     
    T君はさっそく衣装ケースにパラワンを入れ、一緒に飼い始めようとした……次の日の朝でした。朝起きたT君は、愛虫たちに餌をあげようとふたを開け、衝撃の光景を目の当たりにすることになったのですcool

    なんと……カブトムシ20匹全てが動かなくなっていましたcool
    あるものは硬い体に■■■■■■、あるものは羽を■■■■、あるものは首が■■■■■……。
    そこは地獄絵図の様相を呈していました……。
     
    ……おや? 地獄を悠々と闊歩(かっぽ)する一つの黒い影が?  あッ!アイツですッ!パラワンですッ!

    なんということでしょうか!たった1匹のパラワンオオヒラタクワガタによって、20匹いたカブトムシは一匹残らず全滅させられてしまったのでした。まさにリアルムシキングになってしまいました。わずか一夜の出来事でした。  

    後日、T君がボソッとこぼした
    「やっぱ180は強ええわ 」
    という一言が忘れられません。
     
    パラワンオオヒラタクワガタについて調べれば調べるほど、とんでもないことをしていたことが分かりました。
    「性格は狡猾冷酷喧嘩好き」とか、
    「縄張り争いで同種のメスを噛み■してしまうこともあるほど気性も大変荒く、多頭飼いはもってのほか」とか、
    「凶暴なオオヒラタクワガタの中でも特に闘争心が強く、むやみに自然界に放てば生態系を破壊してしまう力を持っている」とか…。
    物騒なことしか書いてありませんでしたbroken heart
     
    そんなこととはつゆ知らず、タブーを侵してしまった私たちはあの夏、究極の喜びと究極の悲しみを同時に味わうこととなりました。。。(悲しみのほうはほぼT君ですが。)
    夏休みの時期になるといつもこの出来事を思い出します。
    パラワンオオヒラタクワガタの悪魔のような破壊力に、友情まで破壊されかけた話でした。

    さて、お待たせしました。やっとここからことわざの説明です
    意味としては、「人の運命は幸福と不幸がたえず入れ替わるので、何が幸福で何が不幸か分からない。人生どう変わるかは分からない。」というものです。

    もとになった故事も載せておきます。
    「昔、中国の国境の要塞に住んでいた老人が、馬に逃げられた。ところが、その馬がとてもいい馬を連れて帰ってきた。やがて、老人の息子が落馬して足を折った。しかし、兵士になれなくて、戦争で、その若者は死なずにすんだ…」という風に、幸福と不幸が交互にやってきた話が元になったようです。

    どうです?パラワンをゲットしたという幸せも束の間、そのことがきっかけで不幸になってしまうという私の体験、「人間万事塞翁が馬」でしょう?
    みなさんもこのことわざを思い出して、目の前の出来事に一喜一憂せず過ごしていってほしいなと思います。一時は嫌なこと、辛いことが起こったとしても、それによって幸せが訪れることもあるのですから

    長文読んでくれてありがとうございましたfrown
    今回はちょっと血なまぐさい話をしてしまったので、陸上部顧問・副顧問の仲良し2ショット写真を載せておきます。↓