保健室の先生からのメッセージ

2022年8月25日
     みなさん、夏休みを元気に過ごしていますか?
    元気だよ!と言う人も、いやちょっと…と言う人も、いるかもしれません。
    とにかく、2学期に笑顔のみんなに会えたら、私はそれだけでうれしいです。
     
    私は保健室の先生なので、
    普段は「健康」だとか「早寝早起き」だとか「メディアは使いすぎないでね」だとか、
    同じ話ばかりしていると思います。

    今回は、私の子供の頃に読んだ、思い出の読書の話をしたいと思います。
    「ネタばれ」しないように書きますので、
    もしきょうみを持ってもらえたら、読んだ感想をいっしょに話しましょう。
     
    ①「ガラスのうさぎ」高木敏子 作(金の星社)
    ノンフィクションと言って、作者の高木敏子さんの体験と事実にもとづいた、戦争のお話です。
    私が小学校4年生のころ、地域の図書館で初めて借りたお話でした。
    その時の自分にはとてもむずかしかったけれど、一生けん命読んで、
    読み終わった後に「私、こんなむずかしい本でも読めるんだ、
    じゃあもっと厚い本でも読めるかもしれない!」と思えた本でした。
     
    ②「わかったさんのクッキー」寺村輝夫 作/永井郁子 絵(あかね書房)
    「わかったさんのクッキー」を読んだときのわくわくした記おくは、
    大人になった今もわすれられません。わかったさんとこまったさんのシリーズはたくさん読んで、
    どのお話も好きでしたが、読んだ後でお母さんといっしょにクッキーを作ってみたことも、
    わすれられない理由の一つだと思います。
     
    番外編☆「ああ無情」ビクトル=ユーゴ―
    「レ・ミゼラブル」という小説や舞台、映画にもなっているお話です。
    小学校6年生のころ、教室のとなりの部屋のすみに置いてあって、
    その当時でさえ古くて捨てられそうな本でした。
    当時「厚い本に挑戦したい」気持ちだった私は、
    がんばって、がんばって、最後まで読んでみたのですが…その本の終わりには、ひとこと、
     
    「この物語はまだ続きますが、大人になったら読んでください。」
     
    思わず「えぇぇぇぇ!?」と叫んで、担任の先生に言いに行ったことを覚えています。
    子供あつかいしないでほしくて、がんばったのに結末がわからなかったことと合わせて、
    とても悔しかったです。その本は古かったのでもう見かけませんが、
    それ以来数年、「ああ無情」をさけて通ってきました。
    本当に大人になって、ミュージカルをきっかけにもう一度読みました。
    今では「レミゼ」が大好きです。
     
     
    いかがでしたか?読んでみたい本はありましたか?
    保健室には、図書室の先生と一緒に選んだ「保健室文庫」があります。
    体の本だけではなく、読んでいてちょっとほっとできる本、少し楽しくなる本を置いています。
    元気がちょっと足りないとき、本の力を借りてみるという手も、あるかもしれませんよ。
    では、2学期に笑顔で会いましょう。