とんぼとともに

2025年10月1日
    とどまれば あたりにふゆる 蜻蛉かな   中村 汀女

     秋になり、気付くと周りにトンボが集まっていて、囲まれてしまったという経験をしたことがあるでしょう。この俳句は、多くの人が体験しながら、あまり気にも留めない情景を見事に描き出した秀句です。
     このピンボケの写真は何かとお思いでしょう。豊西幼稚園の園庭にもたくさんのトンボが飛んでいます。
     ところで、なぜ赤とんぼは秋になると急に現れるのでしょうか。実は、アキアカネは夏の間は、涼しい高地に生息し、秋になると平地に降りてくるのです。今日は、トンボに囲まれて運動会の練習をしました。
     
    ためらって また矢のごとき 蜻蛉かな  小沢 信男

     これもまた、一度は見たことがあるような風景。空中に漂っているトンボが、突然矢のように進みだす様子です。今日は、群れるトンボの中を園児たちが駆け抜け、まるで練習パートナーのようでした。