2学期がスタートしました!

2025年8月28日
    本日より2学期がスタートしましたsad
    始業式の前には、県大会、東海大会、コンテスト等の表彰、令和7年度生徒会長の任命式が行われました

    始業式の冒頭に各学年の代表が2学期の決意を発表しました
    3人とも、自分の言葉ですばらしい決意を語ってくれました。
    その後、校長先生のお話がありました 
    2学期始業式式辞
     40日間の夏休みも終わり、本日、2学期のスタートを迎えることになりました。大きな事故もなく本日を迎えられたことを、うれしく思っています。
     この夏は部活動において、素晴らしい成果を収めることができました。団体、個人で入賞したり、県や東海地区そして全国で天竜中の名を轟かせてくれたりしたことを本当にうれしく思っています。上位大会への出場は叶わなかった部も、市内大会の様子を見させていただき、3年生の2年半に渡る積み重ねの大きさを感じました。3年生を中心とした各部の頑張りに改めて拍手を送りたいと思っています。
     また、この夏休みには1,2年生の皆さんがこの酷暑の中、意欲をもって、そして地道に練習に取り組んでいる姿を見ることができました。その表情は、もう下級生のそれではない責任感とやりがいを感じることができ、とてもうれしく思っています。
     さて、本日から始まる2学期は、3年生にとっては来週火曜日に行われる学力調査を皮切りに、それぞれの卒業後の進路選択の準備が本格的にスタートします。1,2年生も同じ日にテストがあります。6月以降の授業と夏休みの家庭学習の成果を確認するテストです、しっかり準備をして臨んでください。
     また、10月2日に行われる翔龍祭、11月6日には華龍祭と、学級・学年、あるいは学校全体のまとまりが問われる行事が目白押しです。
     私は4月に赴任して以来、天竜中学校のこれらの行事が、生徒の皆さんや保護者、地域の皆さんが大事に受け継ぎ、育ててきたものであると感じています。だからこそ、この行事が「今年、天竜中で学んでいる生徒みなさんが創り上げる行事」であってほしいと願っています。
     私は、学校で行われる行事は、みなさんの学校生活を豊かにする場面として大切なものだと思っていますが、なぜそのように思っているかお話します。
     私は、6月の「いのちについて考える日」に「嫌なことは人によって違う」ということから「自分とは違う感じ方をする人がいる」ということについて皆さんにお話ししました。
     人はそれぞれ考え方、感じ方、どのようなことに価値を感じるかはそれぞれ異なります。
     皆さんの中にはこれまでのいろいろな経験からそのことを実感した人もいるのではないでしょうか。そう考えるとそもそも、異なる感覚を持つ人の集団が一つのことで「まとまる」ということは不自然極まりないことということになります。
     ところが私たちは、感じ方や価値観、得意不得意が異なる人たちがまとまって大きな事を成し遂げる物語に心を動かされます。
     例えば、(これは人と言ってよいかわかりませんが、)グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」です。(知っていますか?)
    長年働いてきたロバ、犬、猫、雄鶏は、それぞれ飼い主に「もう用済み」と見放され、捨てられそうになります。ロバは音楽隊に入ろうとブレーメンへ向かう途中、同じ境遇の犬、猫、雄鶏と出会い、一緒に旅をすることになります。夜になり、森の中で宿を探していると、明かりのついた家を見つけます。それは泥棒たちの家でした。動物たちは力を合わせ、ロバを一番下に、その上に犬、猫、雄鶏と順に乗り、一斉に鳴き声をあげて泥棒たちを驚かせ、追い払います。動物たちは、泥棒の家にそのまま住み着き、ブレーメンにはいかずに楽しく暮らすというお話です。
     この他にも、世代が古くて申し訳ありませんが、漫画では「ONE PIECE」や「宇宙兄弟」「ハイキュー」「スラムダンク」映画では「スウィングガールズ」「ウォーターボーイズ」などは個人的に同じかな(?)思いますし、皆さんの中にもこれらのように主人公が異なる感覚や力を持つ仲間の中で成長し、目標に向かっていくという物語が頭に浮かぶひともいるのではないでしょうか?
     2学期の行事では、縦割り団や学級といった、自分の好き嫌いにかかわりのない、感覚の異なる人々で作られた集団で、応援や合唱などによって見ている人の心を動かすというとても難しいことに挑戦します。
    とても難しいことだからこそ、そこには、先ほど挙げた物語の中で起こっているような様々な苦難があるはずです。でもそれは当然です。ひとりひとりは異なるわけですから。だからこそ、ある時は自分の得意なところを勇気をもって出し、ある時は苦手なところに勇気をもって挑戦して克服し、個人個人の違いをある時は生かし、ある時はこらえてまとまった時の感動は、何物にも代えがたいものがあると思います。
     だからこそ、これらの経験を誰かの手で「やってもらう」のではなく、「生徒みなさんが創り上げる行事」であってもらいたいのです。
     ひとりで楽しめる趣味や娯楽はたくさんありますが、ひとりではできないのが応援や合唱。 ひとりひとりの動きや声は小さくても、集まって溶け合うことで広がりと深みが生まれます。このような体験というものは、実はこの先、進学しても就職してもなかなか体験できることではありません。中学校時代が最後となる人がこの中では多いだろうと思います。
     これらに前向きに取り組むことによって、個人としても、集団としても、大きな成長が期待できる学期であると思っています。そのことを通して、自分以外の様々な人と関わり、自分を磨いてほしい、と思っています。
    最後に、行事を創り上げることを通して、みなさんに身に付けてもらいたいことを3つお話します。
     ひとつには、相手の意見をきちんと聞いて理解する力です。先ほどから言っているように、人はいろいろな考え方を持っています。それをしっかり聞いて受け止めることによって、みなさんの考え方にも幅が広がってくると思っています。
     二つ目は、自分の気持ちや考えをきちんと相手に伝えられる力です。自分の言葉で、自分の気持ちや考えを相手に理解してもらうことにより、初めて協力体制が作られると思います。
     三つ目は、相手の様子や状況を見た上で自分が何をすべきか判断する力です。その場の状況に応じて、言動を柔軟に変化させることができる、簡単な言葉で言えば、相手のことを考えられる力です。
     これらのことを、行事当日だけでなく、準備の段階から意識して取り組んでほしいと思っています。
     2学期にみなさんが取り組む日々の授業、2大行事、行事に至るまでの諸準備などの機会を通して、自分のありようを見直し、これから進むべき道をしっかりと見つけて欲しいと思っています。
     一人一人が異なる集団をどうしたらまとめられるか、夏休みから本来であれば自分のために使える勉強や習い事などの時間を割いて話し合ってくださっている人がいます。
     このような人にこたえられるよう、さまざまなことはあっても、最後には目的の方向に向かっていくことを忘れないでください。
     みなさんが個人として、あるいは学級・学年として単なる勝ち負けを超えたところにある、大きく成長を感じることができる2学期になることを期待しています。