【知覚動考】4年1組 国語科研究授業がありました

2025年12月5日
     12月1日(月)に4年1組において国語科の研究授業を実施しました。当日は、浜松市教育センターの指導主事にも御来校いただき、授業研究において貴重な御指導をいただきました。

     本校の校内研修は、「9年間をつなぐ学び舎の創造 ~見方・考え方を働かせて~」を研究主題としています。児童生徒が各教科等の見方・考え方を働かせ、学びの手応えを感じ、確かな自信を育んでいけるよう、授業改善に取り組んでいます。
    今回の4年生の授業の単元名は、『つながりを見つけながら読み、ブックレビューを伝え合おう~「友情のかべ新聞」~』です。この単元では、単に読書に親しむだけでなく、必要な知識や情報を得ることに役立つと気付くこと、そして、場面の移り変わりと結び付けて具体的に想像することを目指しています。特に、「なぜだろう」と思う登場人物の行動や様子について、他で書かれていることと結び付け、伏線と結び付けながら読むことが本単元の学習内容です。

     本時では、「友達と意見を交流することを通して、「東君」と「西君」との関係や気持ちの変化について、手掛かりとなる複数の叙述を結び付けて具体的に想像する」ことを目標としました。
    導入段階では、子供たちが物語の世界に引き込むことができるように「東君」と「西君」はどのようなところが正反対なのか、そして「2人は本当に仲良くなったのかな」という問いを投げ掛けました。
     本時の中心的な発問は、「『東君』と『西君』が仲良くなったのは何曜日だろう。」という、子供たち同士で考えのずれが生まれるものでした。この発問は、子供たちに「考えてみたい」「友達の意見を聞いてみたい」という対話の必要感をもたせ、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実を図るための工夫でした。
     子供たちは、「木曜日だと思う」「金曜日だと思う」「最後の月曜日だと思う」など、様々な意見を出しました。単に意見を出すだけでなく、「叙述をもとに考える」ことを徹底し、意見の根拠や理由を尋ねることで、本文を根拠に考える力を高めました。これは、国語科の「言葉と言葉との関係を、言葉の意味、働き、使い方等に着目して捉えたり問い直したりして、言葉への自覚を高める」という見方・考え方を働かせることにつながっています。
     振り返りでは、ある子供が「友達が『おたがいから目をはなせなくなり』と書いてあると言っていて、水曜日まではお互いを見はっているから、木曜日から仲良くなり始めているのかもしれないと考えが変わりました。」と記述し、友達との対話を通して、複数の叙述(伏線)を結び付けながら自分の考えを深める姿が見られました。

     今回の授業では、複数の叙述のつながり(伏線)を探しながら読むという、小説(ミステリー)ならではの爽快感を味わうとともに、教科の特質とねらいを明確にした上で、「比較する」「理由付ける」「関連付ける」などの「考えるための技法」を活用する学習活動を工夫し、対話の活性化を図ることができました。
     今後も、子供たちが「なぜだろう」「そういう考え方もあるのか」といった実感や納得を伴った学びを積み重ね、「確かな自信」を育んでいけるよう、9年間を見通した研究を継続していきたいと思います。