卒業証書授与式

2025年3月17日
    風の冷たい月曜日となりましたが、本日、無事に卒業式を行うことができました。
    全校児童が参加し、全員で行う別れの言葉は温かみのあるものになりました。在校生の言葉にもひとつひとつ心がこもっていて感動しました。退場間際の卒業生のちょっとしたサプライズも素敵でした。
    卒業生のみなさんの活躍を期待しています!
    <校長式辞(抜粋)>
    皆さんの門出にあたり、お話をさせてもらいます。
    アメリカのプロ野球で活躍した鈴木一郎さんという人物についてです。
    イチローさんは今年1月に、野球界で偉大な業績を残したり、野球界の発展に尽くしたりした人に与えられる「アメリカ野球殿堂」に日本人として初めて選ばれました。野球殿堂には394人の記者による投票によって選ばれるのですが、イチローさんは393票を獲得しました。イチローさんに投票しなかった記者はわずか1人。満票での選出に1票だけ足りなかったのです。
    イチローさんはアメリカでの記者会見で、満票での選出に1票足りなかったことを質問され、このように答えました。
    「1票足りないというのは、すごくよかったと思います。」
    「不完全であるというのはいいなって。生きていく上で不完全だから進もうとできる。」
    「人って、いろんなことが足りない。自分なりの完璧を追い求めていくのが人生だと思う。」
     
    また、別の記者から一番達成感があったことは何かと聞かれ、このように答えています。
    「引退の1年前、2018年5月から10月まで、試合に出られず練習だけの時間を過ごした、次の年を信じて。あるプレー、ある記録というものよりも、この経験が僕の支えになっていると言えると思います。」
     
    不完全だからいいと感じる、試合に出られない経験が自分の支えになる。どちらも自分にとって決して望んではいないことだと思いますが、イチローさんはそれをしなやかに受け止め自分の成長につなげています。「しなやかな心の回復力=レジリエンス」がとても高いですね。
    これから皆さんにも決して望んでいないことが起こると思いますが、それは全て自分を成長させる大事なチャンスでもあります。そんな時はイチローさんの言葉にあった「不完全だからいい」という言葉を思い出し、自分が今できることを一つずつ取り組んでいってください。