3学期始業式

2023年1月6日
    1月1日に『令和5年』がスタートし


    1月6日の今日『令和4年度3学期』がスタート


    当初は体育館で実施予定でしたが、諸事情を考え、


    教室でMEET放送での実施となりました。



    各学年の代表生徒が立派に『新年の抱負』を述べてくれました。
    (内容については、各学年便りに掲載されると思います。)








    それでは、校長先生のお話を紹介します。


     
    2023年、今年は卯年です。
    卯はウサギ。
    これはその年を12種類の動物になぞらえたもので、十二支といいますね。
    干支(えと)という、この十二支(じゅうにし)のことだと思っている人が多いのですが、本当は「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を略した言い方で、「十干」と「十二支」を組み合わせて「干支」といいます。
    「十干」とは、1から10までを数えるための言葉です。
    今年は「十干」でいうと10番目の「癸(き:みずのと)」の年。
    そこで、「干支」は癸(みずのと)と卯(う)を組み合わせた「癸卯(みずのとう)」となります。
    (みずのと)」は、順序でいえば最後の10番目、一つの物事が終わって次が始まるときを意味しているそうです。
    「卯」は、もともとは「茂」という文字が由来と言われ、繁殖する、増える段階を指すそうです。
    また「卯」という文字の形が「門が開いている様子」を連想させることから「冬の門が開き飛び出る」という意味があると言われています。
    この2つの組合せである「癸卯」には「これまでの努力が実り始めること」といった縁起のよい意味があるそうです。
     
    さて、今日は、1月1日の中日新聞に掲載されていた、Z世代の記事を紹介します。
    Z世代とは、1990年半ばから2010年代前半生まれの世代のこと、現在10代から20代前半の世代を指すことが多いそうです。
    皆さんもこのZ世代ということでしょうか。
    これまでの世代との最も大きな違いは、生まれた時からインターネットが生活の中にあり、テレビや新聞よりもインターネットから情報を収集するデジタルネイティブであるということでしょう。
    皆さんの中にもYouTubeやSNS等から情報を集める、SNSを使って人とのコミュニケーションを図ることが当たり前になっている人もたくさんいることでしょう。
    今日紹介するのは世界のZ世代のインフルエンサーと言われる人たちです。
    例えば、ロシアのウクライナ侵攻を記録し、ツイッターで戦時下の危機を伝えているウクライナの21歳アナスタシア・ラパティナさん
    10歳の時から黒人差別や女性蔑視に疑問を持ち、黒人の少女が主人公の書籍を集める運動をインスタで始め、各地の学校に寄付をしているアメリカの17歳マーリー・ディアスさん
     
    18歳でインターネットメディア企業を立ち上げ若者の主要な情報源となってYouTubeなどで情報を発信し続けているフランスの25歳ウーゴ・トラベールさん
    ツイッターやインスタグラムで広大な熱帯雨林を誇るコンゴ盆地の保全を訴え、国際会議でも再生エネルギーへの転換などを呼び掛けたウガンダの26歳バネッサ・ナカテさん
     
    多くのZ世代の人たちが、世界をよくしたいという自分の考えを発信し、考えに基づき行動し、少しずつ世の中を変えていく力となっています。
    そこにあるのは自分だけの私利私欲ではありません
    環境や政治、社会問題に関心をもち、今の自分にできることに取り組む、身近なところから小さな一歩を踏み出し、継続していくことで、少しでも世の中を変えていこうといています。
     
    ここで言いたいのは、人への影響力をもつインフルエンサーになろうということではありません。
    皆さんが大好きなネットの世界で、皆さんと同じような世代の人が、しっかりと自分と対話し、現実の社会を見つめ、人のため、社会のためになろうとする意志をもって行動しているということです。
    こういう意志のことを天竜中では15歳の志と言っているのです。
    今年は卯年、飛躍の年です。
    せっかく、YouTubeやSNSに触れるのなら、少しでも広い世界に目を向け、刺激を受け、同じZ世代の人たちが何を考え、何に挑戦しているかを知って、自分自身の飛躍につなげてほしいと思います。
     
    ここ浜松でも、12月26日に市内各中学校代表の2年生が集まって「はままつ未来議会」というものが行われました。
    これは、中学生がサステナブル(持続可能)な地域社会を目指して、人口減少や伝統や文化の継承、地球温暖化の問題など、浜松のために何ができるかを考え、市長さんに提案をするものです。
    本校からは生徒会長の杉浦さんが参加しました。
    同じ中学2年生が様々な視点をもって広く社会のことを考えていることに、生徒会長も大いに刺激を受けたようです。
     
    日本の歴史上の人物にも、今の私たちが十分に刺激を受ける、学ぶべき考えを持った人がたくさんいます。
    今日は、幕末に活躍した橋本左内の言葉を紹介します。
    橋本左内は1834年福井城下の医師の家に生まれ、大阪で蘭学、医学を学び、
    若くして福井藩主の側近として登用されました。
    15歳の時に『啓発録』という書物を記し、その中に五つの言葉を残しています。
    どれもが、15歳の自分が今よりもっと大人になって世の中の役に立つために、自分で自分を奮い立たせるために書いた言葉です。
     
    ↓まずは稚心を去るこれは「子供っぽい心を捨てよ」という意味です。
    以前にも話をしたことがあります
    橋本左内は、「13歳や14歳になって本格的に勉強を始めねばならない頃になっても、幼い心が少しでも残っているならば物事は何も上達しない。
    目先の遊びなどの楽しいことや怠惰な心や親への甘えは、捨て去るべき。」と言っています。
     
    ↓二つめは「気を振う」
    本気で勉強を始めたら、人に負けないように常に気持ちを奮い立たせ、悔しいと思う心を常に持ち、たえず努力することが重要だ。
    ↓三つめは「志を立てる」
    何かを頑張るなら、目指す先が決まっていなければだめだ。
    何を勉強してどんな人になろうという目標をはっきりと定めることが大切だ。
    そして、それに向かってこつこつ努力すれば、どんな人も必ず成長する。
    ↓四つめは「学に勉める」
    志を立てた以上、努力して勉強に励むことが肝心だ。
    勉強とは、ただ本を読む、字を書くということではない。
    優れた人の行いや業績を見習い、これらを通じて真に自分の知識を豊かにし、心を鍛えていくということである。
    すぐに嫌になったり、成績が良いといって鼻にかけたり、逆に悪いからといって悲観したりするのは、真の勉強とは言えない。
     
    ↓五つめは「交友を択ぶ」
    友達の中には、すぐに仲良くなりやすいけれど、自分の為にはならない友もいる。
    逆に、その価値にすぐには気づきにくく、時には面白くないこともあったりする友もいる。
    付き合っているうちに相手のよい所が見え、それを見習い、自分の欠点をなおすこともできる友達は良い友達である。
     
    ↓以上、五つの言葉です。
    橋本左内はこの言葉を15歳で記しました。
    その10年後江戸幕府に反発した者たちを弾圧する安政の大獄で26歳の若さで亡くなりました。
    彼の残した言葉から想像すると、短い人生であっても自分の意志で物事に当たり、自分の判断で行動を起こし、正しいと思った道を信じて突き進んだ人生を送った人だったのだと思います。
     
    皆さんは2学期の終わりにこれまでの自分を振り返りましたね。
    今年度の仕上げとなる3学期をはじめるにあたり、再度、今の自分と対話をし、自分を成長させるために取り組むべきことを考えてみてください。
     
    そして、自分を輝かせるための目標をしっかりと定めてください。
    この3学期、皆さんが自分の意志で一歩前進することを楽しみにしています。
    3年生、15歳の志を抱いて中学校を卒業していく日まであと70日です。
    4月から、自分が決めた道の第一歩を力強く踏み出すために、気を振い志を立て学に勉める
    今の皆さんがやることはそれだけです。
    私は3年生すべてに笑顔で卒業証書を渡したい。
    天竜中のすべての1・2年生とすべての職員が皆さんを応援しています。
     

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