第49回 卒業式

2011年3月17日
     本日午前中に第49回の卒業式が盛大に挙行されました。


    卒業証書授与の卒業生の返事は大変大きくて堂々としたものでした。
    在校生の送辞に続いて卒業生の答辞で、代表の石塚かおりさんがすばらしい言葉を述べてくれました。これまでの思い出がよみがえってきました。


    卒業生「別れの歌(旅立ちの日に)」の大合唱です。生徒、保護者、職員の目頭に熱く流れるものがありました。感無量です。


    <卒業式の校長式辞>

     やさしい春風が心地よい季節になり、運動場の桜のつぼみも大きくふくらんできています。本日は第四十九回卒業証書授与式を行うにあたり、浜松市健康医療部長 徳増幸雄様、市議会議員 山本博史様をはじめ、多くのご来賓の皆様にご臨席をいただき、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

     103名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。今私は、一人一人に卒業証書を渡しながら、皆さんと共に過ごした、三年間を思い起こしていました。みなさんが、まだ入学して間もない頃、初々しい制服姿で行った、校長面接を覚えていますか。少し緊張しながらも、一生懸命自分の夢を話してくれました。早いもので、あれから3年の月日が流れました。私の瞼の裏には、みなさんの頑張っている姿がしっかりと焼きついています。

     部活動でがんばっている姿。体育大会の縦割りで、ソーランに燃えている姿。潮鳴祭の合唱で、心を響かせ合っている姿。探究の授業で、一生懸命思いを伝えようとしている姿。特に印象深いのは、小学校や公民館のボランティアなど、地域の活動に積極的に参加し、がんばっていたみなさんの姿です。みなさんは、その後ろ姿で、庄内中の後輩だけでなく、小学生にも、地域に貢献する模範を示してくれました。これはきっと、庄内中の新たな伝統として、後輩が受け継いでくれるものと思います 
     
     さて、みなさんは、いよいよ義務教育の課程を終え、自分の夢に向かって、新たな一歩を踏み出していきます。皆さんの門出にあたり、私からはなむけの言葉を送ります。

     それは、「幸せな人生を送るために、心はいつでもプラスでいよう」ということです。私は人の心には「プラスの心」と「マイナスの心」があると思います。「プラスの心」からは、思いやりのある言葉や行い、感謝の言葉が生まれます。きっとその人のまわりには、優しく温かな空気が流れ、人が自然に惹きつけられていきます。
     
     反対に、「マイナスの心」からは、愚痴や人の悪口、悲観的な言葉や行動が生まれます。その人のまわりには、冷たい空気が流れ、人は自然に離れていきます。人と人が心を通わせ、絆が生まれる瞬間には、「プラスの心」から生まれる、温かな空気が絶対に必要なのです。「幸せはいつも自分の心が決める」という相田みつおさんの言葉があります。この言葉の意味は、自分の幸せは、人と比べて決めたり、他人が決めたりするものではなく、自分の心の持ち方しだいで決まるということです。「プラスの心」と「マイナスの心」を決めるのも、自分の心の持ち方しだいです。「プラスの心」でいるためには、いつも相手の幸せを願って、人と接することと、笑顔を忘れないことです。
      
     人生は山あり谷ありです。楽しいことやうまくいくことばかりではありません。苦しいこと、悲しいことなど、試練に立たされることもきっとあります。でも心をプラスにしていれば、人に支えられ、必ず乗り越えられるはずです。

     今回の東日本大震災は、私たちに与えられた大きな試練です。家族を、幸せな人生を、一瞬の震災で、失ってしまった被災者の、大きな悲しみを思うと、胸が苦しくなります。しかし、私たちは、同じ時代を生きる者として、先人が多くの災害や、戦争を乗り切って、今の日本を築いてきたように、皆で支え合って、この大きな試練を乗り切らなければなりません。まずは一人一人が、自分にできることは何なのかを考え、プラスの心で、できることから行動していきましょう。
     
     保護者の皆様、本日はお子様のご卒業誠におめでとうございます。立派に成長した姿を目の当たりにし、感慨もひとしおのことと思います。これまで、学校に対しまして、格別のご理解とご協力をいただき、心より感謝を申し上げます。結びに、卒業生一人一人の、今後の活躍と幸せを、心よりお祈りして、式辞といたします

    平成 23年 3月17日 
                       
        浜松市立庄内中学校長 宮地幸宏